勇者さんの旅路。

□パーティ&パーティー4
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「ルールは至ってシンプルです。
どちらかが倒れたり、参ったと申されたら
そこで勝負は決まります」

二人の間に立っているのは、受付嬢。


どうやら、こういう事がよくあるらしくて、
大きな揉め事にならないように


と、受付嬢が審判を務めるんだってさ。



受付嬢って大変なんだな……
そりゃ疲れるし、イライラもするわけだ。


「ちなみに詩人の方に賭けた人に申し上げます。
詩人の方が負けた場合は、有り金を全て僧侶の方に渡すようにお願いします。
ルールを破ったものは、とりあえず職業をニートにしてもらいますので」

ユキに賭けてくれた人は少ない。


「お兄さんが勝ったら、皆大変だね」

「そうだね〜……恐ろしいね〜………」


「それでも動かないんだから、ハープのおっさん、人気なんだろうな」

何か周りの人から聞いたんだけど、


このハープのおっさん、

強い人を仲間にしたくてしたくて仕方がないらしく、


仲間になってほしい、と言ってきた人と
こういう風に手合わせをして、

自分と互角、または自分より上でないと認めない………とかさ。


勿論、教えてくれた人はユキに賭けた人。



だから、ハープのおっさん、
それなりに実力はあるらしい。

ユキ大丈夫かなー…





「それでは、始めます。レディ………」

受付嬢が手を挙げると同時に、
周りが静まり返る。


「ファイトっ」

その手が下に下ろされたと同じく、
開場はワァァァァと盛り上がる………


んだけど……





「どちらか攻撃しかけろよっ」

野次馬のツッコミ。
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