勇者さんの旅路。

□パーティ&パーティー
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剣が抜けない。

重くて抜けない。


両手で引っ張っても抜けねぇっ!


「おい、ガキ」


ガサガサッ


と、茂みの中から人が現れた。



白い法衣に青っぽい………何だこれ、
見たこと無い格好だ……。



「ここどこ?」

「………あ、え、山だけど」


ボリボリと頭を掻いては面倒臭そうに、
俺を見下す。

というか、背が高い。


額には何か装飾品付けてるし、
片手に数珠持ってるし……

僧侶か何かだろうな………


「………パティアって街どこ?」

「山を下りたところ……だと思う」


しばらくの間。


「お前もその街に行くの?」

表情一つ見せずに淡々と話す男性。
どうやら目的地が同じらしい。


「そうだけど………」


「へぇ……オレはユキ、よろしく」

「あ、うん。俺はキト………よろ、しく」


村を出て人に会うなんて、こんな体験
今まで無いから、どう対応して良いのかわからない。


「オレも冒険者申請するから、一緒行こ」


「うん。てか、どっから来たんだ?」



「ここ、この山」


ユキが自分で持っていた地図を見せて指差す。





「国が違うんだけど」
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