Angel Life

□何を目指して。2
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あれからネイの家に戻るのに30分くらいかかったかな?
疲れたは疲れたんだけど、街並みを見て歩けたから楽しかった。あたしが居た世界と、この世界、人の雰囲気や街の雰囲気。
特別変わっているっていうことがない。
ただ、魔法が存在するかしないか。

「でェ?エルちゃんは荷物それだけだし、アタシは準備できた」

レヴィディアに言われた通り、闇市という情報屋を探してみようって話になったんだ。
何もわからないままよりかは、せっかく教えてくれたんだ。とりあえず、行動してみなくちゃね。
それで皆は一旦帰宅して、準備してくるというわけだ。
まぁ探すだけなら荷物なんて邪魔だろうけど、一応ね。お昼も食べに行こうって話にもなってたっけ?

「ねぇネイ?どこに集まるわけ?」

「大抵ヴィーナスレインの中心にある広場だからァ、広場行こっかねェ」

曖昧だなぁ…。
ネイは家の鍵を閉めて、あたしが連れ去られてさっき帰ってきた道とは、反対の方向に進みだす。

「アタシ達が一番に広場に着くと思うわァ」

「ここから広場って近いの?」

「んむ……少し歩いてヴィスナ橋って橋があって、そこからまた少し歩くからァ……近いってわけじゃないねェ」

なるほどなるほど。
ネイの家は南区。勇人は北区。ヴェンの家は何故か皆知らないらしい。 そういえばレラの家はどこら辺なんだろう?
まぁ、勇人が一番遠いのかな?
この都市は世界最大の都市で、世界中から多くの冒険者や商人、観光客が集まるらしい。
でもヴィーナスレインを1日で回って見るなんて、とてもじゃないけど無理なんだって。
一番北側の丘の上には大きなお城がある。
今歩いている場所を見る限りは、住宅街かな?

「あっ!エルちゃんエルちゃん。アタシ達とあともう1人、よく一緒に居る人が居るんだよォ」

「おぉ、どんな人?」

「んっとねェ……淡い綺麗なピンクのロングヘアー。それはもうサラッサラでついつい触りたくなるんだわァ。目付きはキリッとしてて、顔立ちは美人だし胸も大きいし……イケメン」

イケメンっていうのは内面的なことでよろしいかな……?
美人って言ってるこの子も本当、美人さんなんだよね。少しおっさん臭いけど。

「あ、でも怒らせるとこっちが死ぬゥ」

「絶対無礼のないようにしよ…」

「ヴェンと、その人カリスっていうんだけどォ……ヴェンフルボッコにされてたんだわァ」

「え?あの屋根から踵落としして地面に穴開けるような奴が?」

「簡単に言うと、ヴェンは怒ると燃えるけどねェ。カリスが怒ると周りのものが破壊される」

今の話からするともう、怖いイメージしかないんだけど……。どうしよう、失礼ないようにしなくちゃ…。
あ、でもよく考えてみて、あたし。
ヴェンは言葉より手が先に出そうなタイプよ?初対面のレヴィディアにも敵意剥き出しだったし。
それと比べて?あたしは?
そんな失礼なことしてなーー……
怪男って呼んでました、ごめんなさい。

「大丈夫だよォ。カリっさんも初対面のエルちゃんをフルボッコなんて、しないしないィ」

にへって笑うネイ。
……そうよね。そりゃそうだわ。

「んァ?あー!キャンディ屋台じゃァ!!」

道に小さく開いている屋台を見つけては、目を輝かせて颯爽と走って行くネイ。

「えっ、ちょっと、待って!!」

ネイも足が速いこと速いこと。
その屋台には子供達が集まっていて、その子供達を押しのけては

「おっちゃんッ!キャンディー6個くださァい!!」

大声で言うもんだから、おじさんも子供達もびっくりしている。ネイってば大人気ない……。
ちなみにあたしまだ、屋台に向かって走っています。疲れてるのよ。
今日やたらと走るから……っ!
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