勇者さんの旅路。
□ランファンペルデュ
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「キトは頑張れば出来るタイプだね」
相変わらず歩くときは、俺の服を掴むメルフェス。
「怪我したけども……」
「治すから大丈夫」
再び、草原を歩き続ける俺達。
こんなに視界が開けているっていうのに、街が見当たらない。
何かさっきの熊の相手をしたおかけで、疲れた。
「何で温泉街は赤くなってたのに、森は緑のままなんだろ〜?」
パルテが言っているのは、木の葉っぱのこと。
「森や海には微かに魔力がそこらじゅうに、うじゃうじゃしてます」
「虫みたいに言うなよ……」
「例えですよ、バカキノコ」
「その魔力のお陰で、木や花は枯れないんだって」
「アイちゃんもメル君も物知りだね〜」
「勉強しましたからね」
そんなアイは地図を見つめている。
「あ、木に囲まれているんですから、あの中じゃないですかね」
アイが指差す前方に、森っぽいのが見えた。
「森とか迷子になる」
「俺達から離れるなよ」