勇者さんの旅路。
□アプファルート4
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「そういえばさ、あの人に呼ばれて何か話してたのか?」
「別に」
………俺が探しに来るまで無言だったのかよ。
「ケイト……さん………が呼んだぐらいなんだから、何か話してないの?」
「あ、あの袋の中身見たか?って」
「そういや、見てないんだっけ……忘れてた」
人が少ない、早朝のパティアの街。
朝焼けが空を明るく染めていく。
今日も空に雲1つない秋晴れ。
「帰ったら見る」
「便利な物が沢山入ってるんだっけ?あの女の子が言うには」
「知らね」
そうだ、記憶力乏しいんだった……
話しているうちに、露店街を抜ける。
来たときにやっていたラジオ体操が終わったのか、おばちゃん達の井戸端会議が始まっていた。
「ここどこ」
「え?広場だぞ?」
「へぇ。どーやって、あそこに行ったんだろ」
方向音痴は来た道も、どうやって行ったかも覚えてないのか………
「……腹減った」
「今度から散歩するなら、誰かと一緒に行ってな?」
「1人ってのがいいんだよ」
探す方は良くないです。