勇者さんの旅路。

□アプファルート3
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「ユキっ!?大丈夫……か………」

爆発の煙が風に吹かれて消えていく。

と、共にユキと俺達と同じ、冒険者らしき人達が現れた。


「あらぁ、爆発しませんでしたのぉ?」

嫌みったらしく甲高い声の女の子。


「またうるさいのが出てきた」

メルフェスがムッとした顔で女の子を睨む。

メルフェスより背が高く、アイよりは子供っぽい。


「貴方みたいな方々に2位の景品は、持ったいなさすぎですわよ」

「黙れ、アマロリ」

「何ですってぇ!?」

アイの一言に声を大きくする女の子、すっごいうるさい。


「まぁまぁ、落ち着いてくださいよ」

「何あれ、どっかのソムリエ?」

「ワイン飲んでて何が悪いっ」

女の子の隣にいる男の格好が、妙にかしこまっていた。

高級料理店で、働いてそうな格好だ。


片手にワインの入ったグラスを手にしている。


「ユキ大丈夫〜っ?」

「マジで殺すから、これ」

「はーいっ!」

元気よく景品を受け取るパルテ。


「いやいや、はーいっじゃないだろっ!?」

というか、何でユキがまた爆発に巻き込まれてたんだ?

2位の景品とか言ってたっけ?


「狙いが景品ってことは………」

「1位のパーティだね」

メルフェスが俺の言葉に続く。


「そうですわよっ!私達が1位以外の順位だなんてあり得ませんの」

「うっせぇな。2位の景品が良いなら、2位になっとけよ」

ユキが苛々しているのか、言葉が荒い。


というか、何でコイツは毎回無傷なんだろ……




「盗賊(シーフ)がいるんだよね?」

「どちらにせよ、格好がダサいですね」


「「な………っ!?」」


この子達のツッコミって、痛いよなぁ……
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