勇者さんの旅路。
□アプファルート2
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ユキと元気なお姉さんが睨み合う3分は、とても長く感じて
辛かったのは、この俺です。
しばらくして、広場に冒険者達が集まりだした。
ちなみに
「あ、いたいた!」
「こんばんは」
パルテとアイは、街の全体放送を耳に入れたのか、ちゃんと広場に来て俺達を見つけてくれた。
「あっれ?メル君は〜?」
「ここにいるよ」
「………!?」
いつから隣にいたんだか、ビックリした。
「何するんでしょうね」
杖でとんがり帽子の縁を、くいっと上にやる。
やっぱり、皆が気になるのは、仁王立ちしているお姉さん。
『さぁ、3分経ちましたよ〜っ。もう、締め切りますからねっ』
マイクからメガホンに持ち変えて、変わらずハキハキと喋る。
『今からあなた方冒険者さんは、パーティ全員で今から配布する紙に書いてある物を、採って来てもらいますよ〜っ』
「そこの君、パーティで1枚。取ったら回して」
何枚も重ねてある紙束を渡された。
「ユキ、1枚取って」
「ん」
紙束は近くの人に回す。
「今から森だって?」
「夕食があるのにー………」
「何とってくるんだかねぇ」
ざわざわし出す広場。
『採ってくるものはそんなに見つけづらいものではありませんよ〜っ』
「おーい!怪我したらどうするんだねーちゃんっ!」
『怪我の保障は、我々冒険者支援局が責任を持ちますっ!』
「冒険者支援局に勤めてる奴ってテンション変じゃね」
「冒険者広場の受付嬢なんか、終始怒ってるよね」
本当のことだから注意しにくい………