砂時計

□彼方と此方
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ダンブルドアの驚くべき発言から一夜明けて、

そう、既に一夜経っていた。
アカネは、暖かい布団の中で頭を抱える。
勧められるがままに、(恐らくダンブルドアの)ベッドを借りたところまでは覚えているが、その後の記憶は一切ない。
しかし、ここで一夜が明かせたということは彼の説明を信じるならば、アカネは無事この世界の住人になれたということだ。
アカネは昨日のダンブルドアとの会話を頭に蘇らせた。




「どういう意味ですか、それは」

流石にアカネも、今の言葉を聞き流すことは出来なかった。動揺しながらも、なんとか英語を絞り出す。

「これが…現実?」

もしこれが現実と言うのならば、今までアカネが生きてきた世界は何だったと言うのだ。

アカネのその疑問を感じ取ったかのように、ダンブルドアは口を開いた。

「無論、今の君にとってはまだ夢じゃがのう」

「それは…」

アカネの頭の中に、有名な古い漢詩が浮かぶ。

「…胡蝶の夢?」

思わず口をついて出たその言葉は日本語だったが、ダンブルドアはだいたいその意味を察したようだった。
正解だ、というように頷く。

夢は無限の可能性を秘めている、現在の科学でも謎多き存在だ。
だからといって、夢が現実になるなど、普通はあり得ない。
だが、見た夢の先が魔法の世界だったとしたらどうだろう。そしてその人間の魂が、身体と離れやすい、例えば死が間近に迫っているような状態にあったとしたら…?
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