文
□肉食系紳士
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目が覚めると、
中から既に残滓は取り除かれ、体のべたつきと言った不快感は殆ど無くなっていた。
凛はというと
すぐ目の前ですかすか寝息をたてている。
寝顔はまだ愛嬌残っているのに、全くこいつは。
だが、所謂後始末といったものも
いつも全て凛がやってくれていると思うと、何だかくすぐったい
俺はいつも、事が終わるとすぐ落ちる質なので未だその様子を見たことがなかった。
始まりは強引かつ横暴なくせして、こういった気配りは決して欠かさない凛。
それに免じて結局赦してしまう俺も
甘いのだろうか。
「凛」
凛の筋肉質な胸板に顔を預けると、
何とも言えない安心感が俺を包む。
「好き だ」
そう呟くやいなや、強い睡魔が襲ってきて、
俺はそのまま再び夜の眠りへと 滑り込んで言った。
――ましてや、頭上で凛が口をぱくぱくさせていた事など
俺には知る由も無い。
end.
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