夢見〜別語〜

□現忍語〜二章〜
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いつもどおり学校へ行く
支度する
母さんには心配されたが
大丈夫と一言言い家を出た




学校に着くと
席には蝙蝠、川獺、蜜蜂くんが
既に座っており
私の顔を見るなり
どうしたと問い詰めてきた



大丈夫大丈夫とたしなめる
まぁけっこう目が腫れてたから
そりゃひと目でわかるか



「あれ招きさん
今日は髪の毛結わないんですか?」




蜜蜂くんに言われて気づく
あー夢見てから
なんとなくぼぅっとしちゃって
朝縛り忘れたんだな…



少し癖っ毛だが
腰あたりまであるこの髪
いつもはポニーテールにしているのだが
やはり結んでいないと少々邪魔だ


だが櫛と結ぶ物を忘れた



「では僕が結いましょう。
櫛と髪紐持ってますから」


そう言うと蜜蜂くんは
私の髪をとき、手早く
結い上げる
早いそして綺麗…やるな蜜蜂くん




「おーやっぱ招きは
こっちのがやっぱしっくりくるよなぁ」




蝙蝠が私の髪を指に絡ませたりして
遊んでる



「そんないい髪してないから
あんまり触んない方が…」





「さらさらしてもふもふしてるぜー
なぁー川獺ー」




「そうだなー触り心地いいよんー」





川獺もさわさわと
なんか触られてるのは
いいんだが……
えらい違和感が
いや、違和感が無いのがそう感じる



この光景が
前もあったような
必死に思い出そうとしてると
頭が痛くなる段々と
強さを増してきた痛みは
私が記憶を溯ろうとするのを
邪魔するようだ



それでも思い出したことは
何処かの屋敷の縁側に座っている
髪を結ってもらってる多分私
私の髪を結ってくれてる
私の髪を指に絡ませたりしてる二人




その髪は白だ銀髪と言ってもいい
私は黒髪だ
じゃあやはり私ではない…?




顔が見たい意識を集中するも
頭の痛みは酷くなる
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