夢見

□〜真庭家番外編〜遊泳川獺
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夏休みのとある日







私は学校にいる
補習があるわけでなく
剣道部に顔出すわけでなく





忘れ物を届けにきたのだ
川獺に、水筒を届けに。









川獺は水泳部に入っていて
今は夏で丁度季節だ


夏休みは部活で忙しいぐらいに









川獺が部活の為に家を出てから
水筒を忘れていった行ったことに
私が気付き届けに来た








川獺が部活をやっている姿を
見てみたいという好奇心もあった


狂犬姉言うには部ではレギュラーらしい


あまり想像がつかないけど














なんて考えているうちに
学園の外プールに着いた



尾張学園はもちろんプールまで大きい
学校の規模を越えている
観覧席まであるし







観覧席からプールの方を見てみる
部内対抗で競っているのだろうか
コースを男子生徒数人が
クロールで泳いでいる











一際速い人がいた
癖っ毛の長い髪を背中に垂らした
川獺だった



ものすごい速さでぶっちぎりだ
息継ぎの際に見える顔は
ゴーグルをしているが
真剣な表情で。











いつも蝙蝠や白鷺とふざけている
飄々とした表情とは違う


でも泳ぐ姿は楽しそうだった
すいすいと水を進む様は
まさに川獺。













プールから上がり
ゴーグルを取った川獺は
私に気づいたようで近づいてきた








「あっれー猫じゃん
どしたんだこんなとこに」


「え、あ、水筒…
忘れていってたから届けにきたの」










つい見とれてた私は反応が遅くなった







「サンキュw助かったよん」



そう言って水筒を受け取り
お茶を飲み出す川獺







「川獺泳ぎすごかったね
かっこよかったよ!」





ぶーっ




お茶を吹いた
というか私にかかった








「つ、冷たいんだけど…」



「げほっげほっ………
ごめんごめん拭くからじっとしててな」









川獺がタオルで私の頭を拭く






目の前には川獺の上半身(裸)
いや泳いでたから当たり前なんだけど
水がポタポタ垂れている
なんかアレだ


水も滴るいい男とはこの事だと
実感した









「なんか川獺エロイね…」


「んにゃーどこがだよ
エロイのは猫だよんww」








はい?と思って自身を見る


制服がお茶で濡れて
透けていた

川獺はそれをニヤニヤしながら
見ている







「か、かか川獺の変態ー!!」




バチコーン!






平手打ちでふっ飛ばす






「がふっ…っておわぁ!!」





ドッボーン





そのまま川獺はプールに落ち盛大な
水飛沫を上げる





水飛沫に太陽の光が反射し
大きな虹を作った。










〜それは夏休みのとある午前でした。〜

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