夢見

□〜真庭家番外編〜花火
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今日は地域の
花火大会がある日で



私も真庭家の誰かを誘って
行くつもりでいた


誰を誘って行こうか
迷っていると




「猫、私と
花火大会に行きませんか?」


浴衣に着替えてもう既に
行く気満々の喰鮫さんに誘われた



「誰か誘う予定だった所なので
そうですね一緒に行きましょう。
浴衣に着替えて来るので
少し待ってて下さい喰鮫さん。」



「えぇわかりました
猫の浴衣姿楽しみに
待ってます。」



私は急いで狂犬姉のとこに
行き、浴衣を着付けてもらう



着付けてもらう間
髪を高いところ結い、釵をさす





「はいっできたわよん!」


「ありがとっ狂犬姉
流石早いね!」





ものの数分で浴衣を
着付けてしまう手際さだ






「…………………楽しんでらっしゃい!」





「?うん、いってきます」





狂犬姉は悩ましげな顔をして
送ってくれた


なんでだろうと思いつつ
喰鮫さんを
待たしているので急ぐ





「お待たせしました喰鮫さんっ」


「大丈夫ですよ、猫
あぁいいですねいいですねいいですね
浴衣、とても似合ってますよ」




喰鮫さんがニコッと微笑む



「あ…ありがとうございます…
喰鮫さんもとても似合ってますっ」


私は顔が赤くなるのを
感じたので照れ隠しに
喰鮫さんも褒める


「フフ…ありがとうございます
では、行きましょうか」






真庭家から歩いて数分の
河川じきで花火があがる


着いた頃には花火が
既に数発上がっていた




ヒュー………ドンッ



心臓を貫くような音ともに
真っ暗な夜空にパッと咲き散る花火


「綺麗ですね…」


「えぇ…綺麗です」


何故か喰鮫さんがこちらを見ながら言う


「あの、花火のことですよ?」


「確かに花火も綺麗ですが
貴方のh「貴方の方が綺麗ですよなんて
ベタなセリフ言いませんよねっ!?」


あらかじめ封じておく
この人は甘くくさいセリフを
言って照れる私を楽しむ癖が
あるみたいなので事前回避。





「おやおや私がそんなありがちな
セリフを言うとでも?」


「さっき言おうとしてたじゃ
ないですか…」




冷静に突っ込む





「いえいえ本当に言いたいことは…

確かに花火も貴方のように綺麗ですが
花火は儚い…猫は
儚いんじゃなく
凜として咲く花のように美しい

と言いたかったんですよ。」




「…………っ!な、なんてこと
言ってるんですかっ」



パッと赤い大きな花火が咲く




私の顔はその花火よりも
赤く染まっているに違いない



私は顔を見られたくなくて
反らす、が
喰鮫さんに肩を掴まれ顔を向かされる





そこには真剣な顔をした喰鮫さんがいた
いつも不適な表情や
ニコニコした表情とは違い
真剣な顔だ




不覚にもかっこいいと
思い、心臓が高鳴る





「猫…聞いてください」




「は、はひ…」


「私は貴方のことがーーー」







ドンッ!花火が上がる







「あ、あの喰鮫さん…
花火で聞こえなかったんですけど
もう一回言ってください…。」


「あぁ…惜しいですね惜しいですね
惜しいですね…また、
今度言うとしましょう…。」





いつも通りの不適な表情をした
喰鮫さんに戻っていた





「そろそろ帰りましょうか…猫。皆が心配してしまいます。」




「そ、そうですね帰りますか。」



いつの間にか花火は終わり
元の暗い夜空に戻っていた



喰鮫さんの隣を歩き
帰る道中思った



そういえば今日は
一度もセクハラ受けてない…


あの変態な喰鮫さんから
こんな日もあるのか…
とさっきの真剣な表情を思いだし
再び心臓が早くなるのを
不思議に思いながら


皆の待つ真庭家に帰った。









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