短篇

□生きる糧
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もし死に場所を選べたとしたら…


ふとそんなことを思った。柄にもないこと。それはお盆という日にあの人の墓の前にいるからかもしれない。


もし死に場所を選べたとしたら、あいつらに看取られて、穏やかに逝きてーもんだな。こんな俺がそんな死に方できるってんなら、死ぬのも悪かーねーな…

でも…とも思う。

そしたらあいつらに辛い思いさせちまうかもしれねー…
そんな思いさせるぐれーなら、一人で逝っちまう方がいいかもしれない。


出会いがあれば別れもある。別れるのが嫌なら出会わなければいい。そうわかっているのにいつのまにか隣には仲間がいて。

ついため息が出てしまう。
誰にも知られることなく死ねたのなら…なんてことまで思ってしまう。
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