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□かくれんぼ
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いつだってそうだった。
君とかくれんぼをすると僕が必ず鬼なんだ。
君はいつも隠れる役。
僕だって隠れたいのに
いつもみたいに10数えて君を探しに行く。
見つけると君はくしゃっと笑って、
「見つかったッ!!!!」
そう言って僕の手を取る。
「おっきくなってもあたしを見つけてね」
そんな約束からどれだけ経っただろう
今だって変わらない。
ただ違うのは、見つける人数が2人になって、君と僕との手の間にあの頃の君とそっくりな娘がいること。
君はふと、
「見つけてくれてありがとう。」と。
「昔から見つけるのは得意だからね。」
「そうね。」
案外、鬼もいいかもしれない。