本棚

□かくれんぼ
1ページ/1ページ


いつだってそうだった。
君とかくれんぼをすると僕が必ず鬼なんだ。

君はいつも隠れる役。
僕だって隠れたいのに

いつもみたいに10数えて君を探しに行く。


見つけると君はくしゃっと笑って、
「見つかったッ!!!!」

そう言って僕の手を取る。

「おっきくなってもあたしを見つけてね」



そんな約束からどれだけ経っただろう
今だって変わらない。

ただ違うのは、見つける人数が2人になって、君と僕との手の間にあの頃の君とそっくりな娘がいること。


君はふと、
「見つけてくれてありがとう。」と。

「昔から見つけるのは得意だからね。」

「そうね。」


案外、鬼もいいかもしれない。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ