進撃短編
□美しく残酷な世界
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「おはよう、ミカサ!」
「雛。おはよう」
二人の親しげな姿を見て、リヴァイは少し驚いたような顔をした。
「雛」
「あ、兵長。おはようございます〜」
「おはよう。お前、いつの間にミカサと仲良くなったんだ?」
「女の子は色々あるんですよ。
兵長はミカサに嫌われてますもんね〜」
「うるせぇ」
「まぁ確かに初対面でエレンをボコボコにしてましたもんね〜。
あれは印象悪い。
私もやり過ぎだと思ってました」
「仕方ねぇだろ」
「あれ、ミカサ、どうしたの」
雛の近くへ駆け寄り、リヴァイをきっ、と睨んだ。
「なんだ、ミカサ」
「エレンを蹴った…その恨みは忘れない…
でも、あなたは雛の恩人…だから、少しは多めに見てやらなくもない…
雛に感謝しろこのチビ」
それだけ言って去っていった。
「ですって。よかったですね兵長!」
「今のどこがいいんだ。なんなんだあいつは」
「可愛い可愛い私の天使です」
「お前には聞いてない」
二人は朝食をとりにいくため食堂へ向かった。
「そういえば、どうして俺がお前の恩人なんだ」
「さぁ?」
(まさか、あいつが知ってる訳ねぇしな…)
リヴァイの心の中の呟きを知るのは、またちょっと後の話。