進撃短編
□恋
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「兵長、これ・・・」
声をかけようとして、はっと止めた。
すー、すー、と、小さな寝息が部屋に響く。
そっと近付いて、顔を覗いてみると・・・
うん、やっぱり寝てる。
薄手の布を兵長の肩にかけてから、寝顔を拝見。
激レア!兵長のうたた寝!!
兵長も、うたた寝とかするんだなー
最近、何だかんだで忙しかったもんな。
兵長は仕事人間だもん、睡眠もろくにとってなかったに違いない。
こんど夜に訪問して、なんとか寝かせなければ・・・
じっ、と寝顔を見つめる。
やっぱり綺麗な顔してるな。
切れ長の目に、鼻筋の通った顔、薄い唇。
普段は眉間にしわを寄せて睨んでるからちょっとあれだけど、
兵長こんな穏やかで綺麗な顔して寝てるんだ・・・
兵長の綺麗な寝顔を見てると、なんだか不思議な気分になってくる。
私、兵長のこと、どう思ってるのかな・・・
兵長のことは、そりゃあ好きだよ。
でも、その『好き』は、どんな『好き』なの?
態度に表れてないかもしれないけど、ちゃんと尊敬してる。
でも、尊敬だけじゃなくて、もっと傍にいたい、一緒にいたいって思う。
いつ死んでもおかしくない状況で生きてるから、そういう感情を持つのかな・・・
『好き』って、何だろう。
「『恋』って、何でしょうね・・・」