短篇集
□雨が降ると
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就親
裏です。駄目な方はすぐに逃げることをオススメします
(家来目線)
元就様は太陽のお姿を拝見できないと、目に見えて落ち込まれる
これは曇りの場合である
雨が降るとそれはそれはご機嫌が悪い
で、梅雨の今時分、これでもかというぐらいご機嫌が悪い元就様が出来上がっていた
そのおかげで城全体がピリピリした雰囲気に包まれているのだった
城の中で今最も近寄り難い元就様の部屋なんて以ての外である
そんな時勇者一人が現れた
その勇者というのは
長曾我部元親殿である
ちょうど、近くまで来ていたのでついでに寄ったらしい
余談だが、西海の鬼だなんだと呼ばれていらっしゃるが、元親殿は鬼なんかではない
むしろ、美しく気高い姫のような感じである
周りに振りまく笑顔はなんといえないほど美しくそれを見た人は癒されないわけがない
たまに、ものすごい色気を振りまく時もあるがその時は元就様がすぐさま部屋に連れ込んでいるため、めったに見られることはないだろう
さて、そんな話をしているうちに元就様の部屋に着いた
元親殿は「入るぞ」と一声かけて元就様の部屋に入っていった
(第三者目線)
部屋に入った元親はすぐさま、元就に後ろから抱き付く
機嫌の悪い元就はそんな元親を無視して本を読み続ける
「何読んでんの?」「それおもしろい?」と聞いても無視をきめこんでいるため、返答は返ってこない
元親は元就に抱き付くのを止め、畳の上でゴロゴロしたり元就の近くに積まれている本を読んだりした
しばらくして無視をきめこんでいた元就は口を開いた
「元親」
「うん?何?」
元就は自分の膝をポンポンと叩いた
その行動が何を意味するかわかった元親は元就の膝の上に頭をのせた
俗に言う、膝枕である
膝の上にある元親の髪を撫でている元就の顔は先ほどより幾分か穏やかになっていた
そして、額、瞼、頬などに口付けをしていく
それが元親にとってくすぐったいのか身をよじる
最終的にたどり着い唇に口付けをしようとした時元親が元就の唇をぺろりとなめた
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