お題。
□大丈夫、他は全て排除するから【赤黒】
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逃げるのなら。
自分が一体誰のモノなのか、教えてやればいい。
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旧校舎の隅。
帝光唯一の図書室で、しかも受験期だというのに、そこには人影がなかった。
…いや、只見えづらいだけだが。
薄目で見つめ続ければうっすらと浮かび上がってくる、空色。
いつも傍にあったはずのそれは、今ではひどく懐かしい。
「黒子」
思いの外響いた声は、俺の激情を表しているようで。
「……赤司、くん」
ひどく、滑稽だった。
「久しぶりだな。元気か?」
古びた勉強机に向かい勉強していたのだろう。本当に、努力を怠らない奴だ。
「…どうしてここに?」
「受験生が図書室に来てはいけないのか?」
にこり、周りの人間に恐ろしいと囁かれる笑顔で、答えてやる。
案の定、黒子は気まずそうに目を逸らしてきた。