お題。
□その笑顔は反則だから【高黒】
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テッちゃんは男だ。
いや、確かに女みたいに肌は白いし可愛い。けど、バスケをやってるからか言う程華奢なわけじゃない。身長だってあんな異質な奴等の近くに居るからチビに見えるだけで、実際は平均だ。
力瘤はないけど。
でも、よく見たら綺麗に整った容姿とか。
女子供に格別に優しいとことか。
挙げ出したらきりがないくらい、テッちゃんは魅力的で。
探さなくたっていくらでも女の方から寄ってくる。
......だから、正直なんでそんなテッちゃんが、俺なんかを選んでくれたのか、分からない。
男で、他校生で、ライバルの、俺を。
━━━━ね、テッちゃんは本当に俺が、好き?
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「今日は無口ですね」
「え?」
大好物だというバニラシェイクを片手に、突然の言葉。
お互いに部活が早く終わると知っていたから、相棒の疑惑の目を盗んで駅前で落ち合ったのは、記憶に新しい。
「え〜、そう?普通じゃね?」
やっべ。態度に出てたのか?
最近俺の中を付き纏う嫌な感情。
出会い始めはこんなのなかった。テッちゃんに振り向いてもらうことが世界の全てだったから。
なのに、もう1ヶ月も経つのに。
何も出来ない、ヘタレすぎる俺。...らしくもない。
「普通じゃないですよ。さっきからずっと上の空じゃないですか」
「え?やだな〜ちゃんと聞いてたよ」
「...じゃあ、僕今まで何の話してましたか?」
「......え?、と」
「ほら」
やっぱりそうじゃないか。と言いたげな怪訝そうな視線が居たたまれない。
...ごめんテッちゃん。聞いてなかったわ。