つきたちぬ

□黒髪少年に乗られましょう
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検査、検査、検査。

私のことが調べられていく。
注射は嫌いだが、燭先生が毎回綺麗に痛くないようにしてくれるため助かっている。
今一番困っているのは能力者が吸い着いた跡。何やら虫さされのようになっている。燭先生曰くここに運ばれたときは吸血鬼に吸血されたあとのようになっていたらしいのだが。


皆は仕事で忙しいからたまにしか来ないけど、そのたまにという希少な時間が凄く好きだ。
朔さんは大体一人で来て、キイチちゃんと喰さんがセットで来る(喰さんとはあまり話さない)。

今日は貳號艇のツクモ、與儀それに花礫くんと无くんが来ている。



「…久しぶり、大丈夫?」



「名前ちゃん久しぶり!体調とか平気ー?」




いつも冷静な可愛いツクモと常にテンション高めの與儀。久しぶりすぎる二人にこちらも少しテンションが上がる。
後ろから无くんと花礫くんも入ってきた。




「うん、全然平気。元気にしてた?」



ツクモと與儀の顔を見て安心感が生まれた。二人の優しそうな瞳に落ち着いていると无くんがベッドに飛び乗ってきた。




「俺、名前いなくなってから、ずーっとさびしかった!」



「私も无くんに会えなくて寂しかったよ。」




无くんを撫でながら花礫くんを見る。ここに来てから一言もしゃべっていないけど元々無口だからなー。あ、目合った。




「…何だよ。」



「いえ、ただ花礫くんかっこいいなーって思っただけ。」




そっぽ向いちゃった。本当のことなんだけどなー。
與儀が花礫くん照れてるの!?とか余計なこと聞いてるけど肘鉄食らった。うわ痛そう。




「…名前、私たちそろそろ行く。あとでまた来るから。」



「あ、うん分かった。行ってらっしゃい。」




そうだ、皆用事あるんだ。皆が部屋を出ると空間が目立った。
私も仕事したいな。………本読も。





























「オイ。」



「ん………わ…、花礫くん!?」




声を掛けられて、次に光が広がって、目を開けると花礫くんが立っていた。私の手には本があって寝落ちしたことが分かる。




「寝ちゃったのね。あれ、他の皆は?」



「まだ来ねー。」



「そっか。、………って、花礫くん!?何してんの!?」



「うっせー…。」




せせせせせ説明しよう!
ががが花礫くんが、ベッドに乗ってきたのだ!そそそそそして、跨がってきたため、かかか肩押したら両手で両手掴んできて花礫くんの頭がくくくく首に!




「…誰にやられたんだよコレ。」



「ふ…へ?コレって?」




そこで喋るのやめてほしいと切実に思う。くすぐったいそして恥ずかしい。
そんな私とは逆に花礫くんは何故か首を見ている。




「この、虫さされっつーか…キスマーク、誰にされたんだよ。」



「ききききっキスマークじゃない!違う違う!能力者に吸われただけ!」



「は?吸われた?それをキスマークっつーんだよ!!」




言葉足りなかった!
まずい、これはまずい!何か分かんないけど花礫くんは怒っているらしい!



「ちょっ、違「何がちげーんだよ。吸われた?しかも能力者に?このバカ。」バッ、バカじゃない!落ち着け花礫くんッあ…!」




せせせせせせせせせ説明しよう(本日二回目)!
なななな舐められた!首!変な声!出た!のである。




「あ、花礫く、んやめッ…!」



「へー…感度いいんだな。」



「ちが…ッひ………!?」




柔らかい花礫くんの唇と、痛み、そして自分の首からちぅっというような音が聞こえてやっと花礫くんが離れた。跨がったままだけど。




「がががが花礫くん!?皆待ってるんじゃないかな多分!ははは早く行ったら?」



「ち……もういい。今日はこれくらいにしといてやる。」



「うんこれくらいにしといてもらえると花礫くんも助かるん「…この鈍感。」私鈍くないから!」




よく分からないが、花礫くんはこのバカと言って自分の髪をぐしゃぐしゃっとした。…あの、そろそろ降りてほしいな。




「んー…花礫くんよく分かんないけど、「名前ーーー!あれ?花礫と何してるのー?」……无くん!」



「あ?……子づくりしてんだよ。だから邪魔すんな。」



「こ…づくり…?分かんないけど分かった!ツクモちゃんと與儀よんでくる!」




……………。

待ってくださいよ……花礫くん?子づくり?无くん?何故助けない?
あ、やっと花礫くん降りた。



「チッ…邪魔すんなっつったのに无のヤツ……。人来ちまうじゃねーか。」


「………。」




最近の子は皆こうか。子づくりってなんだ、年上だぞ私は。




「じゃ、そういうことだから。」



「え…?…は…どういうこと?」



「はあ?まだ分かってねーの?お前ホントバカ…。」



花礫くんって難しいこと色々知っててたまに分かんないけど、これほど分かんないことなかったよ。



「バカじゃない!……けど、今日は来てくれてありがとう。」



「………お人好しだな。」



花礫くんはそう言って廊下に出た。
廊下から皆の騒ぐ声が聞こえるけど、私は少し疲れてしまったようだ。寝よう。

































































(花礫が名前とこづくり?してた!)

(こ…ここここ子づくり……///!?)

(…………///)

(は、早く行かないと名前の貞操がッ///!)

(てい、そう?)

(无くんは知らなくていいからね!)
 

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