小説

□苦手な女  〜初めての大きな里の続き〜
2ページ/6ページ

翌朝、まだカーテンの無いゆかの部屋には、朝日が容赦なく降り注ぐ。

あまりの暑さに目が覚める。

ゆか「う〜、あ、暑い。。。溶ける。。。」

顔や首筋には、自分の汗で髪の毛が貼り付いている事に気づき


ゆか「うわ〜、おじさんみたい、そのまま寝ちゃってたからなぁ。。。笑 とりあえずお風呂入ろ」


湯船にお湯をはっている間、今日町で買うものをリストアップする。


ゆか「カーテンと冷蔵庫は絶対今日いるよね。。。。仕事終わりのビールも飲めないもんねー」


鼻歌まじりに色々書き出していると、お湯がたまったようだ。


少しの荷物からタオルを取り出し、浴室に向かった。
ゆかは湯船に浸かりながら、昨夜の事を思い出しニヤついた。


ゆか「あ〜、次はいつシカマルに会えるんだろうなぁ、昨日あの食事会に参加出来たのも奇跡みたいなもんだったし。。。。。」

天井からポツリと落ちる水滴を眺めながら


ゆか「忍びかぁ。。。。。。」





その頃ー


奈良家の玄関先で

イノ「シカマルー迎えに来たわよー」

その声にヨシノが玄関まで出て来た。

ヨシノ「あら、イノちゃん、今日シカマルと約束してたの??」

イノ「うん。7時に迎えに来るって言ってあるんだけど、まさかまだ寝てるとか??」


ヨシノ「あは。。。そのまさかみたいね。。。」

ヨシノは2階に上がって行き、シカマルを起こしに行った。

シカク「よぉ、イノ、まぁ入れよ」

シカクが奥から呼んでいる。


イノ「おじさんおはよー。じゃあ上がらせてもらうわ」


シカクが冷たい麦茶を出してくれる。
それをイノは半分程一気に飲んだ。

イノ「はーーー、おいしい。今日も暑いわ。シカマルじゃないけど、町に出るのめんどくさくなってきたな〜」

シカク「おっ!今日はシカマルとデートか?笑?」

シカクがからかう。

イノ「ちょっとおじさんー、そんな訳ないじゃない、今月ネジとキバの誕生日だから、プレゼント買いに行くのー」


シカマル「こっちだってこんな気の強い女ごめんだね」


やっと起きて来たシカマルは、まだ寝ぼけたような顔でそう言った。


イノ「何よ!レディを待たせといてその言い草」


シカク「そうだぞシカマル、女の子待たせるなんてモテないぞ〜」


その言葉にハッとしたイノは


イノ「そうそう、おじさん!!とうとうシカマルにもモテキが到来したのよ〜」

と、絶対シカマルが嫌がると分かってて話出した。

自分の麦茶を注いでたシカマルは案の定眉間にシワを寄せて


シカマル「もうお前は余計な事ばっかペラペラ喋んなくていいんだよ!!ったくめんどくせぇ」



シカク「おいおい、なんだよその話。息子の浮いた話なんて気になるじゃねぇか笑」



イノ「でしょでしょ〜」


イノはシッシとシカマルを追い払う素振りをして


イノ「つか早く準備してきなさいよ、チョウジも待ってるんだから!!」


シカマル「わかってるよ!!ほんっと朝からギャーギャーと。。。。。だから女ってやつは。。。。」


ブツブツ言いながら洗面所に向かう。


シカク「ところで、そのモテキって話聞かせろよ」


イノは昨日あったこと、全てシカクに話した。


シカク「あの子が。。。。。シカマルをねぇ。。。。笑。はは、面白い」


イノ「そう、皆ビックリしちゃって〜!その時のシカマルの顔、おじさんにも見せてあげたかったわ〜」



後ろに殺気を感じてイノが振り返ると


シカマル「喋ってんじゃねぇよ!!」


イノ「あ、バレた〜?でも、隠す事じゃないじゃない」


シカク「シカマルよぉ、前にも言ったと思うけど、男は女がいねぇとダメな生き物なんだぜ?」


シカマルははいはい、と答えると


シカマル「イノ!さっさと行くぞ!」


そう吐き捨てるように言った。



イノ「あ、ちょっと待ってよー。おじさん麦茶ごちそうさま〜」

シカクは軽く手を振った。
そしてイノから聞いた話を早速ヨシノに教えた。


チョウジを迎えに行く道中ー



シカマル「お前マジでオヤジに変な事言うなよな」


イノ「何が変な事よ、おじさん喜んでたわよ〜」


もう、何を言っても伝わらないと悟ったシカマルは、それ以上何も言わなかった。


そしてチョウジも合流し、町へ出かけた。
その頃ゆかはとっくに町に着いていて、とりあえずの冷蔵庫とカーテンを買い終えていた。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ