小説

□それぞれの決意〜彼女の背負うモノ〜の続き
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ゆかが落ち着き始めたとき、もううっすらと月が見え始めていた。





カカシ「。。。。。落ち着いたかな??」




ゆかは力なく、こくりと頷いた。




そんなゆかに、カカシはいつもより優しい笑顔で言った




カカシ「んじゃ。。。。。飲みに行きますか。。。。笑」




ゆかはほんの少しだけ笑顔になると、はいと答えた。





カカシ「今、火影様もシズネさんと飲んでるみたいだから。。。。そこでいいよね??」




ゆか「。。。。はい。。。。綱手様にも。。。。お話したい事があるので、ちょうど良かったです。。。。。」





そんなゆかの横顔を、神妙な面持ちで見つめるカカシ。。。。。何かを感じ取った様子だ。







そこは小さな店で、半個室のような造りになっている。心配げな綱手とシズネ。。。。。ゆかの泣き腫らした目をみると、最悪の状況を察した。





カカシ「連れて来ましたよ。。。。」




そういってカカシは先にゆかを個室の中に入れると、綱手の前に座らせた。





ゆか「綱手様。。。。。今日は色々と。。。。すいませんでした。。。。私、何にも知らなくて。。。。」






綱手「いや。。。。お前の方が大変だっただろう。。。。。。」





しばらくの沈黙の後





シズネ「と。。。。とりあえず飲み物でも。。。。。ゆかはビールでしょ?」





ゆかはにっこり笑うと、頷いてみせた。






そして皆の前に飲み物が揃うと、乾杯の雰囲気ではないので、カカシは最初に飲み始めた。






ゆかもあれだけ泣いたので、喉がカラカラだ。。。。。最初の一杯はいつものように一気に飲み干した。






今回ばかりは、シズネも何も言わずに二杯目を注文してくれた。






ゆか「シズネさん。。。ありがとうございます。。。。。。」





言いにくそうだが、綱手は気になっている事を聞いておきたかった。。。。






綱手「ゆか。。。。。今お前がここに居るっていう事は。。。。。シカマルとは映画には行かなかったようだな。。。。。」






ゆか「はい。。。。。」








綱手「そうか。。。。。残念だったな。。。。」





ゆか「はは。。。。。思いっきりふられちゃいました。。。。。」





ワザと笑ってみせて、さっきの出来事をざっと綱手に話して聞かせた。




三人とも何とも言えない表情だ。。。。完全にシカマルはゆかに惚れているではないか。。。。。
それに全く気づいていないゆか。。。。。






ゆか「綱手様。。。。私、スイと月に帰ります。。。。。。。」





シズネ一人驚いた表情。。。。。綱手もカカシも、ゆかがそう決めるだろうと予想していたからだ。。。。





綱手「。。。。。ふられたからって、ヤケになってるんじゃないだろうな。。。。」





ゆか「ヤケだなんて。。。。。笑。よく考えてみたら、私が月に帰る事によって、木の葉と月が協定を結べるようになると思います。
今、月は隣国を吸収して大きな国になろうとしています。。。。。。」






その通りだ。。。。。月は今驚異的なスピードで成長している。きっとスイの力であろう






ゆか「木の葉にとって、月はかなりの力になると思います。。。。」






綱手は長い溜め息を付くと





綱手「大臣があの後、同じような事言っていたよ。。。。。どうやら、息子の嫁として迎える事は気に食わないようだが、お前の力は喉から手が出る程欲しいようだな」





呆れたようにほお杖つくと、焼酎を一口飲んだ。





カカシ「そんな所に、可愛い部下をみすみすもって行かれるのは、釈然としないな。。。。」






ゆか「可愛い部下だなんて。。。笑。いつも足引っ張ってばかりで、頭があがりません」






やっとクスリと笑った。。。。。そして





ゆか「なんの恩返しも出来ないまま、木の葉を去る事をお許しください。。。。」





綱手はやりきれない気持ちで






綱手「本当にそれでいいのか??スイを今でも愛しているのか。。。。?」






ゆかは伏し目がちで話しだす





ゆか「愛していませんよ。。。。。でも、あんなに愛した人です。。。。もう一度愛せるはずです。。。。」





綱手「そうは言ってもだ。。。。。そもそもシカマルの事はどうするんだ?」






ゆか「シカマルの事は、どうもこうも。。。。。始まってもいないから。。。。。終わる事もないというか。。。。。なんでしょう。。。」




わざと茶化しているのが見え見えだ。






綱手「もう一度冷静になってよく考えろ」





シズネ「そ、そうよ?一生の事なんだから。。。。」






ゆか「熱くなってるわけじゃないですよ。今は本当に冷静です。ただ。。。。。」







綱手「ただ。。。。。。なんだ?」







ゆかは悲し気に見つめると







ゆか「もう一度。。。。。シカマルに、あんな事言われちゃったら。。。。。私、多分。。。。生きて行けそうにないですから。。。。。」





ゆかのおもいが、全て詰まった言葉だ。。。。。






カカシ「そっか。。。。。じゃあ、今日はもう何も考えずに飲んじゃって」






綱手「。。。。。。はぁ。。。。。。こればっかりは、他人の出る幕ではないからな。。。。。」





ゆか「すいません。。。。木の葉の皆と離ればなれになるのは、本当に辛いんですが。。。。。」





カカシ「なぁに。。。。今生の別れでもあるまいし笑。もしかしたら出戻って来るかもしれないでしょ笑?」





シズネ「カ、カカシさん!!そんな事を!!」





ゆかは、本当は苦しくて苦しくて。。。。シカマルを思い出すと震えそうになる。。。。。。






しかし、そんなゆかを笑顔にさせてくれる綱手やカカシ、シズネに心から感謝した。








それから何時間。。。。。何リットルの酒を四人で飲み続けたのだろう。。。。。
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