小説

□忍び寄る潮時 〜知られたくない想いの続き〜
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あの日、珍しくシカマルから声をかけてくれた。。。。でもゆかは、冷たくされるのが怖くなっていたから、もう自分からはシカマルに寄り添えない。。。。




ゆか「正直。。。。迷惑だもんね。。。。シカマルはほんと。。。優しくしてくれてた。。。。。」




ゆかは潮時を感じざるを得なかった。。。。。シカマルに好きな人が出来て、自分が本当の邪魔者になるまでは、話しかけたり横を着いて歩くだけでも幸せだった。





シカマルがゆかを、拒絶するような態度をするようになってから、ゆかは冷静に自分と向き合って考えていた。







そして今日の任務を仰ぎに行く。






すると






イノ「ゆか!!今日は私たちと一緒の任務よ!!」



イノはそう言うと嬉しそうに続けた



イノ「ちょ〜〜〜ひっさし振りのイノシカチョウとゆかの4マンセル!!」




ゆか「。。。。。。。。」





イノ「えっ???ど、どうしたの??なんで白目むいてんの???」





魂の抜けているゆかの後ろから、愛しい人の気配が。。。。。気を取り戻し振り返る。





シカマル「。。。。。今日はこのメンバーか。。。。」



そう言ったシカマルの後からチョウジがやって来た。




チョウジ「わお!久しぶりのメンツだね〜。ゆかの活躍は聞いてるよー」




ゆか「ほんと。。。。私の初任務以来だもんね。。。。今度はチャクラコントロール思い出したから、安心して笑」




ゆかはシカマルを見れない。多分シカマルもゆかをみていない。イノはこの空気に少し勘付き初めていた。




シカマル「んじゃ、行くぜ。。。。。」




三人は頷いてシカマルに続いた。大門の前で今日の任務の作戦をシカマルから聞く。その間も一度も目は会わせなかった。。。。。。




そして木の葉の森を移動している中、最後尾にいるゆかの元に、スピードを少し落としたイノが横付けして来た。





ゆか「イノ。。。。。。どうしたの?」




イノは顔をしかめて




イノ「どうしたもこうしたもないわよ。。。。。あんた、シカマルとなんかあったの??明らかに様子がおかしいんだから、白状しなさいよね!!」




ゆかは一息置いてから




ゆか「何かあったってワケじゃないの。。。。。ただ。。。。最近シカマルが本気で私の事拒絶してて。。。。笑」





イノ「そんなのずっと前からじゃない!?何よ、いまさら」




不思議がるイノだが





ゆか「ううん。。。。。今までとはちょっと。。。。。違うんだ。。。。だから色々冷静に考えたんだよ。。。。もう、迷惑かけたくないし、嫌われたくない。。。。」





イノ「。。。。。。」






ゆか「仮にも私年上なのに、なんか情けなくなっちゃって。。。。笑」




イノ「。。。。そっか。。。。そんなに思い詰めてたんだ。。。。」





ゆか「シカマルには内緒にしてよ?」




そう言って微笑むゆかに、イノはまた二人でご飯に行こうと笑った。そしてイノは自分のポジションに戻る。






チョウジ「今日の任務はゆかもいるから楽勝だね!!早く終わらせて、焼き肉行こうね!シカマル!」




な〜〜〜〜〜んにも察していないチョウジはお気楽だ。




シカマル「。。。。今回も相手の情報が無いんだから、気抜くなよ。。。。。」




シカマルがチョウジにそう言った次の瞬間シカマルは声を荒げた






シカマル「くそっっ!!!待ち伏せだ!!!!!」



皆の表情が一気に変わる




そして、本当に一瞬の出来事だった。任務終了まで5分もかからなかったのではないだろうか。。。。。





敵は3マンセルの小隊。一人目はイノシカチョウが仕留め、二人目はゆかが仕留めた。残る一人は見た事も無い忍具を口寄した。





シカマル「なんだあれは。。。。あの形状からして広範囲に攻撃出来る武器だ!みんな気を抜くなよ!!」




その忍具は6本の鋭い大きな針のような物で、術者とチャクラ糸の様な物で繋がっている。6本の武器を器用に扱う敵は、近くに居るイノとチョウジに狙いを定めた。






イノ「チョウジ!!!」



チョウジ「イノ!!!」




その瞬間にシカマルが二人の元へ走って行く




シカマル「イノ、チョウジ、避けろ!!!!」



ゆかもイノとチョウジの元に走りながら、印を結んだ。





以前と同じ大きな防御壁がイノとチョウジを覆う。しかし敵の武器は防御壁を確認すると、軌道を変えてシカマルをロックオンした。




ゆかはその光景を、冷静にもう、間に合わないと確信した。。。。。。





シカマル本人もそれが分かっていた。。。。。そして衝撃がシカマルを襲った。。。。。ぎゅっと目を閉じたシカマルは異変に気づき、恐る恐る目を開いた。



すると






ゆか「う。。。。。。。。」





ゆかがシカマルにしがみついている。。。。。。シカマルは頭が真っ白なまま、ゆっくりと目線を下げた。。。。すると自分の体にぴったりと抱きついているゆかの背中には
六本の武器が全て刺さっている。この地獄のような光景を目の当たりにして、シカマルは自分が震えている事にも気づかなかった。





そしてシカマルの首に回されたゆかの腕は、後頭部あたりで素早く動いた。。。。。印を結んだのだ。。。。次の瞬間に、敵はゆかの火遁の海に跡形も無く散った。。。。。






シカマル「。。。。。。お。。。。おい。。。。。」



シカマルの額からは汗が流れる。今目の前に居るゆかの背中の口寄せされた武器は、術者を失った事によって煙幕とともに消えた。。。。。
そしてそのキズ口からは、ゆかの血液が滝のように流れだした。




シカマル「おっ。。。おい!!ゆか!!!」



シカマルは無駄だと分かっていて、キズ口を手のひらで押さえる。その指の間からはゾッとする程の血が溢れて流れ落ちた。




シカマル「イノーーーーーー!!!早く来てくれーーーーーーー!!」





イノはもうこちらに向かって走って来ている





シカマル「ゆか、今イノが来るから。。。。。。大丈夫だからな。。。。」



シカマルは自分に言い聞かせるように言った。するとゆかは消え入りそうな声で




ゆか「。。。。。。やっと。。。。。名前。。。。呼んでくれた」


そう言うと、微かに微笑んでシカマルの首に回したままの腕に、最後の力を込めて自分に引き寄せた。。。。。
あと、数ミリでシカマルとゆかの唇が重なりそうになった時、ゆかの腕はスッとシカマルから離れた。。。。。





まるで花びらが散ってしまうよにあっけなく崩れ落ちて行く。シカマルは震える体を必死で堪えながら、ゆかを支えた。





こちらに向かうイノはこの光景に、息が止まった。それはチョウジも同じだった。。。。。。





シカマル「ゆかーーーー!!!!」






シカマルの絶叫に森の鳥達は遠くへ羽ばたいて行った。。。。。
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