小説

□かわいい人 〜苦手な女の続き〜
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もうすぐ日付が変わってしまう時間になり
ナルトはもう一度ゆかの料理の事を褒めてくれてから、玄関に向かった。


ナルト「今日は本当にウマいメシ食べさせてくれて、ありがとうってばよ。
次は俺がウマいラーメンおごってやっからさ!」


ナイスガイポーズで決めて、ナルトは自分の部屋に戻って行った。


さっきとは打って変わって静かになってしまった部屋は
心細さを増幅させた。


明日からは綱手の身の回りの世話や
里の手伝いが始まる。

きっと楽しい毎日が始まるんだと、ゆかは自分に言い聞かせ
後片付けをした。




翌朝ー



ずいぶん早くから目が覚めていたゆかは

散歩がてら遠回りして綱手の元に向かう事にした。


ゆか「やっぱ朝は清々しいな〜。昼間の暑さが嘘みたい。笑」


朝早いせいか、まだ誰とも出会わない。
そして河原の方まで歩いて行くと、見覚えのある後ろ姿と
大きな生き物がじゃれ合ってる。


ゆか「。。。。あれって。。。。」


ゆかに気づいたのか、その人物は振り返って近づいて来た。

ゆかはその人物がキバだと確信した。



ゆか「おはよう。キバ!。。。。と?」



キバ「こいつは赤丸」

赤丸の頭をなでながらキバは教えてくれた。



ゆか「赤丸〜おはよう〜」

そう言ってゆかもしゃがみ込んで、赤丸をなで回した。


相当気持ちよかったのか、赤丸は大きな体をひっくり返し
お腹を丸出しにして、もっともっととせがんで来る。


ゆか「あははは、可愛い!大きな体で甘えん坊だね〜」


キバ「赤丸!お前なんてだらしない格好してんだ!そんなんじゃ敵にやられちまうぞ!!」


キバはデレデレの赤丸に喝を入れた。


そんな事おかまい無しで、今度はゆかをなめまくる赤丸。



ゆか「きゃー!くすぐったい!!
ってか赤丸ヨダレすご過ぎ〜〜!!」


きゃっきゃとはしゃいで赤丸とじゃれ合ってるゆかを
キバは素直にかわいいなと思った。



赤丸と遊びきったゆかは体中赤丸のヨダレでベトベトに
そんな姿がおかしくって、キバとゆかは腹を抱えて笑った。


河原の水で顔や手足を流す。



ゆか「ひゃー、冷たい!気持ちいいーー」

キバは持っているタオルをゆかに手渡す。


キバ「これ、キレイだから使えよ」


ゆかは濡れた手をブンブンと払ってから、タオルを受け取る。



ゆか「ありがとー」



濡れた髪と顔の雫に朝日が映し出され
キラキラしている。
さっきまで赤丸とじゃれ合ってたとは思えない程艶っぽくて
キバは思わず息を飲んだ。




ゆか「ねぇキバ、いつもこの辺散歩してるの?」


キバ「。。。。。。」



ゆか「キバ??聞いてる???」



キバ「あっ。。。。ああ、聞いてるよ!そんでなんだっけ??////」



ゆか「はは、今ボーッとしてたよ〜?笑?。毎日この辺で散歩してるの?って聞いたんだよ」


キバは内心ドキドキしながらも平常心を装う。


キバ「あ、ああ。まぁ、コース変える時もあるけど
ここが赤丸の一番のお気に入りみたいだからな」


そう言って二人で歩き出す。


キバ「ところでゆかはこんな朝早くに何してんだ??」



ゆか「今日からね、火影様のちょっとしたお世話と、里の商店のお手伝い始めるんだ」


ゆか「それでね、緊張してか早く目が覚めたから
散歩がてら遠回りしてみたんだ〜」



キバ「そうか、今日は仕事初めってやつだな」

ニッと笑うキバに


ゆか「うん。とりあえず皆に迷惑かけないようにしないとね。。。。」



ゆか「今日は遠回りしてみてよかった!キバと赤丸に元気もらったから笑!」


その笑顔はもう一度キバの思考を止めてしまう。
そして、キバにとっては歩き慣れた道のはずが、いつもより短くかんじた。


ゆか「じゃあここで。私は火影様の所にいくね」



キバ「あぁ、がんばれよ」


ゆか「また赤丸と遊ばせてね!」
元気に走り去った。


ゆかが何気なく言った一言にキバは少し切なさを覚えた。


キバ(赤丸と遊ばせて。。。。かぁ。。。)


そのいつもとは違うキバの様子に赤丸が、心配げに見上げる。
そんな赤丸に気付き、キバは笑ってみせた。



キバ「赤丸!!ウチまで競争だ!!」
嬉しげに答える赤丸とキバは、全力で走り出した。
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