小説

□苦手な女  〜初めての大きな里の続き〜
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宴もたけなわになり、皆がゾロゾロと店を出る。

ほとんどのグループが二次会へと向かう。
ゆかは数人の忍に誘われるが、丁重に断りサクラ達と帰る事にした。


テンテン「じゃあ、今日はこれでお開きね。明日からまた頑張りましょ!」

皆が頷く。ゆかは今日誘ってくれたサクラに感謝の言葉をかける。


ゆか「サクラ、ほんっとうにありがとう。皆もありがとうね、こんな楽しいの何年ぶりだろ」


サクラ「何言ってるのよ、もう私達友達なんだからさ」

そう言って微笑むサクラに、ゆかは少し胸が熱くなった。


サクラ「じゃあナルト、あんたちゃんとゆか送ってあげてよね」

ナルト「おう!じゃ、ゆか行こうぜ」ナルトが歩き出した。

その後をゆかもついて歩くが
ふと振り返って少し輪から離れた所で、壁にもてれかかっているシカマルに大声で叫んだ


ゆか「シカマルー!!さっきの事ちゃんと考えててねー!!おやすみー!」


シカマルは顔だけこちらに向けて、呆れた表情で黙っている。

そんなシカマルにイノがヒューヒューと冷やかす。


ゆかは皆にも挨拶して、またナルトに小走りで近づき、一緒に帰って行った。

のそりと歩き出したシカマルは皆に向かって言う。

シカマル「はーー。。。。疲れた。早く帰んぞ」


その言葉に皆が歩き出す。

今夜は奇麗な満月、空を見上げながら歩くものが数人。
その空を見上げながらイノがサクラに問いかける。


イノ「ねぇ、サクラー。ゆかってさ何で木の葉にきたの??」

皆も興味があるみたいだ。


サクラ「実はねー、私も気になったから昼間ゆかに聞いてみたんだよね」

皆が空からサクラに目を向ける。


サクラ「そしたら相当言いにくそうでさ。。。。。それ以上は聞かなかったんだ。。。」


テンテン「そうだよね。。。。ぶっちゃけよほどの理由が無い限り、自分の里出るなんて事ないよね。。。。」


キバ「確かにそうだよなぁ。。。。」




しばらく沈黙が続いたあと、最初に口を開いたのはシカマルだった。


シカマル「ま、言いにくそうにしたって事はだ、知られたく無いって事なんだから、オレらが変に詮索する事ぁねぇよ」



イノ「あら、シカマルぅ〜、気になんないの?未来の彼女になるかもしれないのに〜」

イノのこの悪ノリに完全に疲れきっていたシカマルは、表情一つ変えずに


シカマル「オレはあーゆータイプの女は苦手なんだよ」


イノ「は?あんたにタイプなんてあったの?つうか、タイプがどうのこうの言える立場〜?笑?」


さすがにシカマルの片方の眉がピクッと上がった。


キバ「ま、シカマルが好きだって言ってる時点でズレてるしな」


皆が笑う。


シカマル「っっだーーーーーっもう!!俺ぁ先帰るからよっ!!」

そう言ってシカマルは早足で帰って行く。イノが慌てて叫ぶ。


イノ「シカマルー明日7時に迎えに行くから、ちゃんと起きててよねー


シカマルは返事をせず、そのまま帰って行った。


シカマル(ったくなんなんだよあの女は。おかげでひどい目にあったぜ。。。。)


シカマルは深く溜め息をついた後、空の満月を見上げた。


同じ頃、ゆかとナルトもその満月を見上げながら、帰路についていた。


ナルト「なぁ、ゆかってばなんで木の葉にきたんだ?」

ゆかは一瞬ドキッとしたが


ゆか「ま、色々ね。。。。。大人の事情とでも言っとこうかなぁ笑」


ナルト「なんだそれ、意味分かんないってばよ。。。。」

ナルトは不服そうにゆかを横目で見ながら続けた


ナルト「じゃあさ、じゃあさ、ゆかはシカマルのどこに惚れたの?笑?」

ナルトはさっきサクラから一目惚れであった事を聞いていたけれど、からかってみたくなってワザと問いかけた。


なんの迷いも無くゆかは答えた。


ゆか「やっぱ顔??///」

それを聞いてナルトは笑いを必死でこらえている。


ナルト「あの仏頂面が??笑??」
我慢できずに吹き出してしまった


ゆか「えーー?そうかなー?すっごく奇麗な顔してるよ?」

ゆかは照れた笑顔でナルトを見た。


その屈託の無い笑顔にナルトはドキッとしてしまった。


ゆか「でもさっきねー、シカマルの話や皆が話すシカマルの話聞いてたら、私の思った通りの人だって分かったの〜///」



ナルト「だからあんなに積極的だったんだ」


うん。とゆかは笑った。


ナルト「ゆかってば、なんかすんげー幸せそう!!」

ナルトもなんだか幸せな気持ちになった。そして二人が住むアパートに到着した。


ゆか「ナルトの部屋ってここ??私二つ隣だわ」


ナルト「そうみたいだな、じゃあなんかあったら、いつでも言ってくれよな」


ゆか「ありがと。じゃあ、おやすみなさい」

そう言って、お互いの部屋に入った。


部屋に戻ったゆかは、また窓の外の月を見つめている。


ゆか「今日は。。。楽しかったな。。。」

そう言うと、そのままベッドに倒れ込みあっという間に眠りについた。
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