黒蜜カルテットと私と。
□カルテットと私C
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走るとはいえ、ほぼ彼に引っ張られているので然程疲れたわけではない
けれど、気がつけば私たちは外に出ていた
「え、何で…」
「こっちにあるはずだ。」
彼は確信しているらしく…
いや、でも本人がわかってないから
すると、進むにつれて聞こえてくる誰かの声
………え?
胸騒ぎがする
息をするのが苦しい
前が見えない
嗚呼、あのときもこんな感じだった
だから花宮さんは"望ましくない"だなんて言ったんだ
何で気付かなかったんだろう、ずっとそうだったじゃないか
気を付けていたはずなのに、いつの間にか大事なものまで失って
私はまた、生きる意味を失うんじゃん