彼は私を愛していない

□疑念
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目が覚めたのは夕方。夕暮れ時でちょうど太陽が傾いて雲の色が紫とオレンジで、少しだけ空が暗くなっていた。

全然知らない部屋の全然知らないベッドの上で寝かされていて、服も違っていて、頭と腕や足に包帯やらガーゼやらで手当がしてあった。見た目結構痛々しいけれど別にそこまで痛いわけじゃないし、手足もちゃんと動くし歩けるし多分走れる。

目が覚めて周りに誰もいなかったので、とりあえず廊下に出たら出てすぐの所であの日手紙を届けてくれた侍女3人組に捕まった。3人してものすごい顔で駆け寄って着て何故か泣きつかれた。その後、絶対に安静にしててくださいとか動いちゃダメですとかでベッドに無理矢理押し戻された。そして事の一部始終を彼女達から聞いた。


あの時私は頭に瓦礫が当たって倒れたらしい。そしてそれを心配で見にきた3人が見つけ、手当をしようとしたが血が止まらず、名前を呼んでも意識が戻らず、とっさに1人がギルサンダー様を呼びに行き、結局彼に助けてもらったらしい。その後医者に見せてもらい手当が終わったあと、彼は先の襲撃の犯人と思しき人物の所に行ったという。あと、実家に連絡も入れてあるのでもうそろそろ来るんじゃなかろうかとのことだった。

一通り話すと片付けがあるとかで3人は部屋を出て行った。最後に絶対に動き回ったりしちゃダメですよとものすごい剣幕で念押された。そんなに心配しなくても普通に歩けるんだってば。





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