支部ログ

□俺ら仲良し桐皇だ!
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WCも終わったこの学校はいたって普通に練習していました。
いなくなったあの人たちを忘れずに。
ただひたすら練習に励んでいる。


この桐皇学園にて。



WCも終わり、3学期も始まり、センター試験も近づいてきたある頃。
珍しく青峰が練習に参加。
「うわー青峰君珍しー。どうしたの?何か心変わりしちゃったとか!?」
「スミマセンスミマセン!珍しいのでキャプテンが今日は疲労がマシになるとか思っちゃってスミマセンスミマセン!」
「おー、青峰きたのかよ!よし、まぁいつも通りやるぞ!」
青峰が来たことによって3人も安心したように口々に言う。
「うっせーよ。若松さんも相変わらずだな、まぁサボるけど。良はうるせぇ、俺がなんやかんや迷惑かけたのはいいだろうが…まぁ悪かったけどよぉ」
「大ちゃんが…!」「青峰さんが…!」「あの青峰が…!」
「おい!なんで感動したような目でこっち見て来るんだよ!」
「いやだって大人になったなぁ、と」
「桃井と同じだな」「スミマセン!僕も同じです!」
わきあいあいと話す4人はバスケ部の名物であり、そのときの青峰はもうそんなに怖くないことから癒し認定されている。
『見れたやつは幸運だ!』とまで言われている。
主に青峰の相変わらずの部活の出席率からだが。
「なんかよぉ、屋上にいたら嫌な予感して。でも、他のところ行っても嫌な予感しかしねぇんだよ。そんで、ここが別になんも感じなかったから来たってだけだよ!ってだからなんかその顔やめろ!こっちが悪いことしていたような気になるじゃねぇか!」
その頃の3人はもうまさしく『大人になって…!』とか思っている顔だ。
そのとき外でがやがやと騒がしくなった。
でも、気にしないのがここの4人。だって青峰が成長したんだもの。











「ほーい!ここでやってきたでー!後輩たちよ!」
ババーン!!
という効果音がきっとふさわしい。そうだ、そうなのだ。
そうしてやってきたのは相変わらずの胡散臭さを持つ今吉と
「ばばーん、って言ったほうがいいか?これ」
と今吉と一緒にやってきた諏佐だ。
それに反応したのは勿論さっきまで気にしていなかった4人であり、
勿論抱きつくかと思って走り出す!

かと思いきや青峰が3人を止めた。
「若松サン、良、さつき。何か嫌な予感がする…」
「え〜青峰、酷いんやない〜?」
今吉が4人を見ながらニヤニヤと笑っている。
「そうだよ!大ちゃん、どうしたの?」
「スミマセンスミマセン!で、でもどうしてなんですかって僕が言うなんておこがましかったですねスミマセン!」
「おい、青峰どうしたんだ?」
3人とも青峰を見ながら聞く。
「なんか俺の勘が今吉サン達に近づいてはいけないって言ってくる」
「よし、作戦会議!」
青峰の言葉によりすぐさま若松が号令した。
「あーあ、諏佐ぁ。青峰にばれてしもうたわぁ」
「オイオイ、やっぱりあの勘はなめちゃ駄目だな」
そう言いながら、諏佐は網を片付け始めた。
「「「「うわ、あぶなっ!!!!」」」」
何故かハモる。
「なんでやろな、佳ぃ。なんかワシらが引退してから仲良うなっとうねんけど」
「そうだな翔。この扱いは酷いと思うんだよ」
((((うわぁ…))))
勿論ここにいる桐皇メンバーはこれに慣れていたりする。
そう、夫婦ごっこらしきものである。
諏佐と今吉はそういう関係ではあるが、何も最初から大っぴらにやっていた訳ではない。
バレてしまった時に「楽しまな損やろ?」なんて言った今吉の言葉にいつもは止めてくれる諏佐が悪ノリしてこの形が完成する。
「もう、大君なんてなぁ、いつもは屋上で休んでるから今日こそは階段から引きずってこようって思っとうたのになぁ」
「本当にな、いつものあれをどうにかしようって思っていたのになぁ?」
そう、青峰は知らずのうちにちゃんと避難していた訳である。
(((((野生の勘ェ)))))
まぁ皆思うことは一緒である。
「え、なんか俺危なかったんじゃねぇの!?」
「もうっ!せっかく大人になったって思ったのに!」
「はぁ?そんなの既に俺は大人に」
「なってる訳無いやろ。お前らはワシの息子たちやねんで!?」
その瞬間、確かに時がとまったように感じた。
「…お父さん!」
そう言って桜井は諏佐に抱きつきに走る。
「「「桜井いいいいいいい!!!」」」
体育館内では大絶叫。一番まともそうな子がいきなり走って抱きつきに行ったらそうなっちゃうかもしれませんが!
「…これは、ノるべきなのか…ノらないべきなのか…」
「はいは〜い!桃井さつき…ではなく諏佐さつき!今、お母さんではなくお父さんのもとへ!」
「なにそれワシになんか恨みでもあったん!?」
若松が葛藤するなか今吉が待ち構えていましたがあえての諏佐に抱きつく桃井。
桜井と桃井が諏佐に抱きついたことで部員の皆さんはものすごく癒されたようです。
「さ、さつきまで…!お、俺どうすればいいっすかね?若松サン!」
「お前の好きなように…だぞ!青峰!」
なんでもピュア心を刺激されている青峰は悩んでいるようです。
若松も同じく、ですが。
「そんなときこそオカンのとこに飛び込んでくるんやで!大君、孝君!」
「「………」」
「なんで2人とも黙り込むんや!うぅ…」
思わず今吉はorz状態に。
思わず他の部員たちも同情の目を向けてしまう。
「ねーねーお父さん、なんでお母さんはあんなことしているのー?」
「不思議でしかないですースミマセンー」
「「(o´・ω・)(・ω・`o)ネェー」」
「何この子ども達の扱い、酷ない?」
更に今吉は落ち込む。
そこに諏佐が動く…!
「こらこら、お前達、そんなこと言っちゃ駄目だろ?あくまで翔は妖怪サトリなんだからな」
「佳の裏切り者ぉ!」
更に追い討ちをかけられた今吉はもう地面からはいつくばって起きる気が無いようだ。
「えー、俺はおかーさんにおっぱいないとおかーさんって認めねぇー」
「うっわ、なんなん。大君の棒読みが更にイラつくわぁ…悪かったな!なんもなくて!」
しまいには逆ギレである。
これには青峰の発言も原因があるが。
「はぁ…」
諏佐がため息を吐き、桃井と桜井から離れる。
「翔」
「なんやねん」
不機嫌な感じを出しながら体育館の床とお友達になっている今吉に諏佐が声をかける。
「お前は俺の嫁なんだろ?なんで、そんなに落ち込むんだ?」
「やって、子供たちに嫌われたら母親失格やろ…?」
「それでも、俺が愛した奥さんっていう肩書きは嫌なのか?」
「…いやなわけないやん、もう佳のアホォ!」
そう言いながら起き上がって諏佐に抱きつく。
「じゃあ、そろそろ帰ろうか」
「うん、そやなー」
そして夫婦ごっこは終了するのだ。
「お前等、練習開始するぞ!」
いつの間にか姿を消し、そして戻ってきた若松は号令を出す。
「俺、サボる「サボるんやったら階段引きずりの刑やな☆」ヨロコンデサンカサセテイタダキマス」
今吉の本気の目(開眼)にやられた青峰はおとなしく参加するようだ。
「ほな、がんばってなぁ」
「頑張れよ〜」
そう言う2人に必ず言う言葉、それが。
「「「末永く爆発していてくださいね、先輩!!!」」」
「爆発なんかせぇへんわ!あほぅ!」
「末永く幸せでいてやるよ」
そしてまた桐皇バスケ部の練習が始まるのです。
少しのチームプレーが入ってきて。



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