支部ログ
□1人にしか宛てていない手紙
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「花宮…」
今吉は手紙を読み終わって床に手をつく。
カーペットに雫が落ちて。
「なんやワシ…泣いてんのか…」
やっと気づいて。
片手が虚空に手を伸ばすけれど何も掴めない。
「花宮…ごめんなぁ…ワシも後悔せぇへんようにしたら良かったわ」
ついさっき聞いた花宮の死。
自殺だった。
薬を飲んで。一番綺麗な死に顔で寝ていたのだ。
そしてこの手紙が今吉宛のみ残されていた。
「ワシも好きやで、花宮」
花宮の嫌がらせを中学のときもしてきたし、
実際歪ませた原因は自分にある、と今吉は自負していた。
「なぁ、花宮。最後まで花宮の嫌がることしたるわ」
誰もいない空間に話しかけると
バァカ
と声が返ってきた気がした。
花宮が亡くなってからちょうど1年後。
今吉翔一の死亡が確認された。
ちょうど花宮が生前住んでいて、自殺をしたベッドの上で
自らナイフを刺して死んでいた。
―やっと花宮と会えるわ
やって来るとか馬鹿じゃねぇの
ええやん。これからはずっと一緒やで、真
end!