支部ログ

□1人にしか宛てていない手紙
3ページ/3ページ



「花宮…」

今吉は手紙を読み終わって床に手をつく。

カーペットに雫が落ちて。


「なんやワシ…泣いてんのか…」


やっと気づいて。

片手が虚空に手を伸ばすけれど何も掴めない。


「花宮…ごめんなぁ…ワシも後悔せぇへんようにしたら良かったわ」


ついさっき聞いた花宮の死。

自殺だった。

薬を飲んで。一番綺麗な死に顔で寝ていたのだ。

そしてこの手紙が今吉宛のみ残されていた。


「ワシも好きやで、花宮」


花宮の嫌がらせを中学のときもしてきたし、

実際歪ませた原因は自分にある、と今吉は自負していた。


「なぁ、花宮。最後まで花宮の嫌がることしたるわ」


誰もいない空間に話しかけると

バァカ

と声が返ってきた気がした。




















花宮が亡くなってからちょうど1年後。

今吉翔一の死亡が確認された。

ちょうど花宮が生前住んでいて、自殺をしたベッドの上で

自らナイフを刺して死んでいた。























―やっと花宮と会えるわ

 
 
 やって来るとか馬鹿じゃねぇの

 

 ええやん。これからはずっと一緒やで、真




end!
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ