支部ログ
□森月宮のみゃーじさん
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ある日。
朝起きると蜂蜜色でネコ耳が付いた髪にパーカーとズボンを穿いた小さい少年が。
「どういうことだ」
最初に起きたある一人は頭を抱えて悩みました。
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森月宮とみゃーじさん
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とりあえず伊月は小さな少年を起こさないように他の二人を起こしました。
「あ?なんだよ…しゅんこっち…」
「寝ぼけないでください!」
「俊君はこっち…」
「いいから起きろ」
無理やり起こしました。
「………」
そして森山と宮地はお互いの間にいる少年に目を向けます。
ゆっくり10秒経過してから口を開きました。
「オイ、誰がさらってきたんだ?本当のこと言わないと轢くぞ?」
「いや、これどう考えても清君そっくりじゃん。ま、まさか、隠し子…!」
「おい、その口縫うぞ?」
「だからそんなこと言わないでください!」
伊月はあわてて2人を止めると、話し始めました。
「なんか起きたら清志さんと由孝さんの間にいたんです」
「はぁ?」
「いやいやいや、昨日はいなかったじゃん」
「そうなんですよねー」
と言っている間に少年は起きてきました。
「にゃ………おはよう…」
起きてから3人を見て、笑顔であいさつをするではありませんか!
しかも、ネコ耳をピコピコと動かしています。
一気に3人は抱きしめたい気持ちを抑えて話し始めました。
「どうする?」
「天使がいますね!育てましょう?」
小声でそう言う伊月と森山に対して宮地は少し消極的なようです。
「いや、ほら、ずっと家にいるわけじゃないし…」
「清君、反対なの?」
「清志さん、嫌なんですか?俺反対されても1人で育てますよ?」
2人の目はもう少しで泣きそうになっちゃうぐらいのウルウル目です。
そりゃあ、普通の人はどうでもいい、と切れ捨てるでしょうが2人の彼氏、宮地なので。
「……育てよっか」
すんなりと了承してしまったのでした。
その間、23秒。
即決です、早い、早い。
「そうと決まれば、朝食作りますね!えっと…」
「あ、名前聞いてなかったね。よし、清君聞こうか」
「は?俺かよ?」
お願いポーズで2人にお願いされました。
あっさり落ちます。簡単だな、オイ。
しかし、伊月と森山だけでしょう!
と言うわけで名前を聞くみたいです。
「なぁ…」
「…にゃあ?」
首を傾げて宮地に向きます。
可愛いのなんの!
いつの間にか伊月が写真を撮っています。
あ、森山も映像で撮っているじゃないですか。
「名前なんて言うんだ?」
「みゃーじ!!」
元気に答えたみゃーじは宮地にくっつきました。
宮地硬直中……
「清君うらやま!」
「清志さんうらやま!」
小声で言っているみたいですが内心は隠せなかったということですかね。
みゃーじは次に森山にひっつきました。
「由にぃ〜!」
「ぐはっ」
威力が高かったようです。
映像は硬直していて復活した宮地に交代です。
「由にぃとか何それうらやま」
「由孝さんごときが」
「俊君酷いっ!」
と言いつつも森山からみゃーじを引き剥がしました。
伊月が。あの伊月が。
「??あ、俊にぃ!」
「俊にぃですよー!朝ごはんは何がいい?」
「パンー!あとパイナップル!!」
その言葉がみゃーじから放たれた瞬間宮地に視線が向きました。
「やっぱり、清志さんから産まれたんじゃないんですか?」
「何言ってんだ俊轢くぞ!」
「轢くぞー轢くぞー!にゃーぁぁ!」
あろうことかみゃーじが宮地の言葉の真似をしました。
「ほら、清君のせいで」
「俺のせいじゃないだろ!」
そうしてみゃーじは毎日毎日色々なモノに触れたりしました。
中身はどんどん育っていき、
「みゃーじ、今日は外に行こうか」
ある日の朝。
森山からそう言われました。
外の世界に興味深々なみゃーじは当然、
「うんっ」
元気に頷きながら朝ごはんのパンとパイナップルを早く食べました。
伊月と宮地はそれを見ながら微笑み、こちらも食べ始めました。
蜂蜜色のパーカーを着て、
ズボンを穿いて、
小さなみゃ―じ用のポシェットを身に付けて
「それじゃ行くよ、みゃーじ!」
宮地と伊月は手を差し出しながら森山は背中を押して。
みゃーじは笑顔です。
「いくにゃー!轢くぞー!」
(清志さんの馬鹿!うつちゃったじゃないですか!)
(清君の馬鹿!口調うつってる!)
(あんなぁ、うつったのはしかたねぇだろうが!轢くぞ!あ、)
(わー!轢くぞー轢くぞー!)
(((まぁ天使だからいっか)))
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