支部ログ

□【第2話】
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*7*


今吉とのデートを楽しみ、そして、また勉強漬けの日々に戻ったが

そうしてまた週末はやってくる。

今回は金曜日から花宮の家に泊まらせてもらい明日PG組で遊ぶ予定だ。

残念ながら福井はいない。

何故か赤司の都合は大丈夫だった。

まぁ、キャラ変をしている赤司はさすが、と言うべきか。


―そして朝。


笠「一晩悪かったな」

花「ううん、大丈夫だよ」

笠「そうか。今日は来られるんだよな?」

花「うん。でも、面倒だなぁ」


そう言いながら花宮は朝ごはんをテーブルに置いていく。

普通の家よりは少し豪華な朝ごはんだと思う。

それを作る花宮は一人暮らしだったな、と笠松は思いながら花宮の手伝いをする。

並べ終わっていすに座る。


花笠「いただきます」


花宮とお喋りしながら朝食をとった。

伊月もいないからちょっと寂しそうではあるが楽しそうな表情でもあるので思わず笠松は写真を撮りたくなる。

でも、ちゃんと常識をもっているのでご飯食べたら絶対撮ろう、と心で呟いた。




***




片付けも終わり、写真も撮って、もうちょっとで今吉との待ち合わせだ、という時間になって、


ピンポーン


玄関のチャイムが鳴る。


花「誰だろう?」


そう言いながら玄関を開けると慌ててやってきたらしい伊月がいた。

そしてドアを開けた花宮に抱きつく。


伊「マコ!おはようっ!」

花「しゅん!おはよう!ちょっと入って水ぐらい飲んでいきなよ」


と言って伊月を家の中に招き入れる。


笠「おはよう、俊」

伊「おはようございます、マコに手ぇ出して無いでしょうね?」


伊月は怖い目で笠松を睨みつける。


笠「俺、そんなに信用無いか?俺が手出すのは翔一ぐらいなものなんだけど」

伊「信用・信頼していますよ。ただ一応の確認です。というかかっこよく翔さんに手を出すとか言わないでくださいよ。思わずかっこいいって思ったじゃないですか」

笠「それはどうも、って言っていいのか?」


首を傾げるように伊月に問いかける笠松と、

さぁ、と言って笑顔が戻る伊月。

花宮は安心したようにほっと息を吐いた。

喧嘩のはめになったら止めるつもりだったらしい。

伊月が水を飲んで、花宮に抱きつくのを笠松は横目で見ながら笠松は準備を進める。


笠「そろそろ行くぞ」


と立ち上がりながら言うと、伊月が不満の声を出した。


伊「マコ不足なので」

花「俺もしゅん不足だよ?」


何言ってんだ、このバカップルめ。

と言う言葉はさすがに控えておこう、と笠松は思う。

こんなこと言ったら伊月は怒るだろうし、花宮は涙目になってまた伊月が怒り出すのが目に見えているからだ。

とりあえずさっき撮った花宮の写真はスマホで撮ったものだったので、伊月に送る。


笠「それで機嫌直せ。誠凛メンバーにばれたらまずいだろうが」


そう言うと出て行こうとするが、伊月が呼び止める。


伊「俺たち、やっぱり行きません。ちょっと急用できました」

花「え?えっ?」

笠「オイ」


なんとなく察した笠松はまぁいいか、という風に手を振りながら花宮の家を出て行く。


笠「鍵ぐらいは締めといてくれ」

伊「OKですっ!それでは、皆さんによろしく!あ、何かありましたら来てもいいですからね!」

花「しゅ、しゅん!ちょっと、何するのー!」


花宮の叫びはむなしく消えていく。

そして、笠松は愛する人のいるところへ出て行く。


……死地に行くわけではないが。






***






あるカフェのある場所に着くと既にみんないた。


笠「悪い、遅くなった」

今「いやいや、大丈夫やで。まだ俊とマコ来てないやん」

笠「その2人は今日来れないとの伝言つきだ」

今「マジかいな。ったくも〜!せっかくマコと会えると思って楽しみにしとうたのに!」

笠「おい、それ俺と会うの楽しみにして無かったってことか」

今「んな訳無いやん。会えるって信じとうから問題はないやろ?」

笠「……そうだな」


そうして思わず笠松は今吉に抱きつく。


高「ちょっと〜www!いちゃつくのやめてください!PG規約忘れんな!」

笠降「あ、そうだった」

高「ちょwwもう、駄目ですよ!はい、罰としてここでは恋人に奢ること!」


PG規約を破ると気まぐれで罰が決まる。

今回は奢るということらしい。

カフェの前で立ち止まっているのもおかしい、ということでPGたちはカフェの中に入った。









赤「おしゃれなお店だね」

高「でしょ〜!それに、なかなか知り合いとも会いにくい場所なんだぜ!」

降「へぇ〜、和君さすがHSK」

高「どうもっ!」


キャラは被ったままではあるが、やっぱり雰囲気はほのぼのとしている。


春「あ、ここの席だよ〜」

笠「1年組はイスでいいだろ」

今「ワシらがソファやな」


そんなことを言いながら座って注文していく。

そして、注文したものがやってきたときにはもう会話も弾んでいた。




***





昼食も取り、そろそろ帰ろうか、と言う声にてカフェから出る。







そのとき


諏「あ、今吉と…なんか多い…」


PG組全員ではないがメンバーを言うのを諦めた諏佐と


小「う〜ん、あ、PG組か!って笠松もいるな」


共通点を見つけた小堀がいた。


今「す、諏佐…」

笠「小堀…?」


この状況はヤバいかもしれない。

なんてったってPG組がそろっている。

仲良いのはどうでもいいが、なんせWC後でみんな敵として戦ったりしている。

そのWCもつい最近終わったところだ。


諏「まぁ、みんな仲良いのはいいことだろ」

小「そうだよねぇ〜、でもなぁ、なんか…」


言いにくそうに言葉を濁す小堀。

それでも、言おうかな、と決心したような顔になる。


小「なんか、なんかね、赤司君と降旗君との関係が近いような。それでなんか違和感あるっていうか」


それにつけたすように諏佐も続く。


諏「そうだな…それに、チームやクラスでの今吉とここでの今吉と違う気がするんだよなぁ」

小「笠松もね」


驚いた顔して諏佐と小堀を見るPG組。

まだまだ言葉は続く。


諏「もしかして、キャラ変えていたりするのか?」



そうしてこの言葉の決定打。


さらに驚いて声も出なくなる。






諏「決定だな」

小「やっぱりね」


前から予測していたように言う2人。

まるで知っていて、それの確認作業のように。


諏「ということは、誠凛の伊月もかな?」

小「どんなキャラ変か知りたいなぁ。ねぇ、話してくれるよね?」


謎の威圧に思わず一歩退く今吉と笠松。





―こんなチームメイトみたことない。




同じことを同じように感じる2人も珍しいものです。






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