Maindish

□意地悪なアイツに。
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いつも。


いつもいつも。



アイツに、される。




だから、仕返し。











「おい…なんだよコレ。」



「え?何ってヒモだけど。」


「そうじゃなくて、何で俺が縛られてんのかきいてんの。」



悠翔はいつも意地悪だ。


この前だってラブホで散々羞恥プレイされたり。


私の家に来るたびに私に1日中不意打ちキスをしてくる。


だからコーヒーにちょっとだけ睡眠薬を忍ばせて眠らせた後、簡単にヒモで縛らせていただいたのである。



「今日こそは…!!私がいつもどんな思いをしているか、身をもって体験してもらうのだー!!!」



「…………………。」



「…………………。」


沈黙。



もうちょっとくらい焦りの色を見せると思ってたのに。





平然と悠翔は私を見つめる。


もとい、



むしろ私を迷惑そうに睨み付けていた。






いや…これはもしや…!



最初は嫌そうな顔してても…!


だんだんと良くなって…?



挙げ句の果てには、涙声で…



「ごめんなさい…許してください…!ご主人サマぁあああ!!」




なんて展開が待ち受けているのかも…!?



あの、悠翔に…!?


想像するだけでニヤケが止まらない…!!





「……おい。全部口に出てるし、なんだよその一人芝居。俺がそんなこと言うと思ってんのか?」



はっ…私としたことが!




でも…でもでもでも!!!



「フッフッフ…覚悟しなさいこの鬼畜悠翔!!今日と言う今日はその仏頂面をこの私が崩壊させてやんよ!!」





“なんだそれ”



誰もにそうツッコまれても仕方のないくらい決まってない決めゼリフだが。




テンションが上がりすぎている今の私には気づきもしなかった。






耐え難い悲しい事実が待ち受けていることに。






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