short dream
□そんな君だから
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平和な日常が続く中、玄関前から俺を呼ぶ声が聞こえてきた。
「おい、キッドー…。早くしてくれよー…。」
「遅刻だー!あははっ!」
声の主はリズとパティ。
俺の武器である2丁拳銃だ。
たくっ!
あと少しが待てんのか!
「待て!まだ額縁が2mm右にずれているのだ!」
まだ2mmもずれているというのに!
「よし!いいぞ!」
「また三時間遅刻だよ…。」
きっちりかっちりシンメトリーにし終え、俺は学校へと向かう。
「よく愛想つかされないよな、キッドも。」
「?なんの話だ?」
「あー、アカネの話だー。」
俺はますます訳がわからなくなった。
「何故、俺がアカネに愛想をつかされるんだ?」
アカネは意味一年前くらいから付き合っている俺の彼女だ。
どこかふわふわしていて、笑うととても可愛らしい。
「だってよー、毎回シンメトリーのことばっかだと飽きるだろ?普通。」
リズの言葉に俺は固まった。
ー飽きるだろ?普通ー
シンメトリーのことばかり
↓
アカネが飽きる
↓
愛想がつきる
↓
振られる
俺の頭の中ではこんな変換がされた。
「そんな…。俺は…俺はどうすれば…。」
俺はその場に崩れ落ちる。
アカネに振られるだなんて考えたこともなかった。
「あちゃー…。逆にややこしくなっちまった…。」
「あはは!振られる振られるー。」
結局この日は学校に行けなかった。
立ち直れもしなかった。