二人でならきっと

□迷子の夏祭り?
1ページ/10ページ

夏休み2日目。

スピリットは怪我、シュタインは昨夜の肝試しの反省ということで宿で留守番をさせ、あたし達は海と逆側にある山へと来ていた。

『昼食はこの山で採ったものをここで調理して食べる。昼食があるかどうかは食料が採れるかどうかだ。それじゃ、各自食料調達。三時間後にまたここに集合。くれぐれも面倒ごとをおこさないように。以上、解散』

解散の声が聞こえると同時にソウルとブラック☆スターは川の方へと駆けて行った。
あの騒がしい奴らに魚が採れるんだろうか……。

「私たちはどうする?」

「山菜や木の実を探しましょうか。この時期は何があったかなー」

「さんさいー! わたしは……なんさい?」

「自分の歳忘れんなよ……。あと山菜だからな」

女子チームは山菜採りに出かけるようだ。
クロナもそこに同行するらしい。

「アカネは? 何するの?」

『あたしは取り敢えず調理器具取りに一度戻ってから、出来るだけこの近くで採れるもの採ってるよ。誰もいなくなるわけにいかないしね』

マカ達は納得すると元気に山菜採りへ出かけて行った。

『で、君はどうするのかな。キッド』

残ったのはあたしとキッドの二人だけだ。

「そうだな。ソウル達に合流しようかと思っていたんだが。調理器具を運ぶのなら先にそれを手伝おう」

『気にしなくてもいいのに』

「何往復もするより効率がいいだろう」

キッドはそういうと元来た道を戻り始めた。

魔法でいっぺんに運ぼうかとも思っていたが、万一にも誰かに見られたら困るし、これでよかったかもしれない。

『ありがと、助かる』

「それはよかった」

礼を言うと、キッドは少し嬉しそうに笑った。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ