二人でならきっと
□迷子の夏祭り?
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夏休み2日目。
スピリットは怪我、シュタインは昨夜の肝試しの反省ということで宿で留守番をさせ、あたし達は海と逆側にある山へと来ていた。
『昼食はこの山で採ったものをここで調理して食べる。昼食があるかどうかは食料が採れるかどうかだ。それじゃ、各自食料調達。三時間後にまたここに集合。くれぐれも面倒ごとをおこさないように。以上、解散』
解散の声が聞こえると同時にソウルとブラック☆スターは川の方へと駆けて行った。
あの騒がしい奴らに魚が採れるんだろうか……。
「私たちはどうする?」
「山菜や木の実を探しましょうか。この時期は何があったかなー」
「さんさいー! わたしは……なんさい?」
「自分の歳忘れんなよ……。あと山菜だからな」
女子チームは山菜採りに出かけるようだ。
クロナもそこに同行するらしい。
「アカネは? 何するの?」
『あたしは取り敢えず調理器具取りに一度戻ってから、出来るだけこの近くで採れるもの採ってるよ。誰もいなくなるわけにいかないしね』
マカ達は納得すると元気に山菜採りへ出かけて行った。
『で、君はどうするのかな。キッド』
残ったのはあたしとキッドの二人だけだ。
「そうだな。ソウル達に合流しようかと思っていたんだが。調理器具を運ぶのなら先にそれを手伝おう」
『気にしなくてもいいのに』
「何往復もするより効率がいいだろう」
キッドはそういうと元来た道を戻り始めた。
魔法でいっぺんに運ぼうかとも思っていたが、万一にも誰かに見られたら困るし、これでよかったかもしれない。
『ありがと、助かる』
「それはよかった」
礼を言うと、キッドは少し嬉しそうに笑った。