BL小説
□ずっと一緒に
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6年前、僕は世界で一番大好きな人を失った。
僕のせいで壊れてしまったすぅちゃん。
それでも、僕は諦めなかった。6年間、毎日すぅちゃんと一緒に過ごした。
メールもたくさんした。夜は一緒のベッドで寝た。
その甲斐あってか、ここ数年ですぅちゃんは僕に笑顔を向けてくれるようになった。
でも、僕を"ともちゃん"と呼んで笑うすぅちゃんは、もう何処にも居ない。
変えられない現実に、眩暈がしそうになる。
すぅちゃんの心に、もうあの頃の僕は居ないんだって考えたら・・・
正気で居られないよ・・・。
隣で寝息を立てているすぅちゃんの背中にそっと頬を寄せた。
すぅちゃんの温もりが伝わってきて、思わず泣いてしまった。
「うぇ・・・ん、すぅちゃん・・・すぅちゃん・・・!」
「・・・ん・・・とも?どうした、苦しいのかっ?」
僕の泣き声に気付いたすぅちゃんが、不安そうな瞳で僕の背中を撫でる。
「・・・すぅちゃん・・・僕なんて、居なくなっちゃえばいいのにね・・・?」
「・・・え・・・?どうして、そんなこと言うんだ。俺は、ともが居ない世界なんて、生きたくない・・・。」
僕の言葉に、すぅちゃんは少し怒ったような表情をしながら呟いた。
「すぅちゃん・・・。」
「俺は、ともと居た頃のことを思い出せない。その原因がともにあったとしても、俺はともを憎んでなんかいない。」
「僕・・・・・すぅちゃんの世界にもし僕が居なかったら、すぅちゃん、今より幸せだったのかなって・・・。」
「・・・俺の幸せは、ともとずっと一緒に居ることだ。だから、そんな哀しいこと言うな。」
涙が止まらない。すぅちゃんが、こんなに僕に語りかけてくれたのも久しぶりだから。
「泣くなよ、とも。・・・そろそろ寝ないと身体に悪いぞ。ほら、抱きついてていいから・・・。」
「むぅ〜っ。すぅちゃん、子ども扱いしすぎだよ。・・・でも、今夜は甘えちゃおうかな。」
そう言って微笑む僕の右目のまぶたにそっとキスを落としてくるすぅちゃん。
何だか照れくさくて、僕はすぅちゃんの胸に顔を埋めた。すぅちゃんは小さく笑みを浮かべ、ベッドサイドに置いてある間接照明の灯りを落とした。
「おやすみ、とも。」
「・・・おやすみ、すぅちゃん。」
ずっと一緒に生きていくって決めた。
何があっても、すぅちゃんを悲しませることだけはしたくない。
昔のすぅちゃんも、今のすぅちゃんも
僕は愛してるから・・・。
end.