ダンガンロンパEx.
□Chapter2「白い鳩は絶望の中を飛ぶ」(非)日常編
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「・・・ホントに凪はお習字が好きなのね」
わたしが書いたお習字を見せると、ママは笑ってそう言った。
隣の座布団に座っているおばあちゃんも「そうだねぇ」って、笑ってる。
「まだ6才なのにこれだけの字が書けるなんて・・・やっぱりお父さんに似たのかしら?」
「そうかもしれないねぇ。あの子は昔っから書道が得意だったから・・・」
「凪、良かったわね。お父さんの才能が受け継がれたのよ」
「うん!」
パパはお習字の先生で、よくわたしにも教えてくれる。
「『結月』の血は書道家の血」、っていうのがパパの口癖。意味はよく分からなかったけど、ここにいるおばあちゃんや亡くなったひいおじいちゃんもお習字が得意だったみたい。
この前買ってもらった新しい筆を置いて、また硯に墨を流す。
硯はもともと黒だけど、墨の深い黒と混じりあってさらに色の深さが増す。
「・・・。ひょっとすると、凪も将来は希望ヶ峰学園の生徒さんになれるかもね」
「えー?何それ?」
「ふふ。凪が『希望の象徴』になったら、ママ喜ぶわぁ。頑張ってねお習字!」
「?うん、頑張る!」