ダンガンロンパEx.

□Chapter1「牢獄に捧ぐレクイエム」非日常編
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『超高校級の哲学者』、黄泉人灰人君。


すぐ相手をからかってみたり、しつこいほど積極的に話しかけてきたり。
彼と話したときの最初の印象は『少し変わった変な人』。
特別仲の良い友達をつくるでもなく、かといって一匹狼を気取るわけでもない、本当にマイペースな人。

だけど、コロシアイを強要されているこの状況で彼はとても強かった。みんなが不安に押し潰されそうになっていた時は明るく振る舞って、ときにみんなを励ましてくれた。
出口が見つからなかったと落ち込んでた時は、全員が今日生きられたことは奇跡だと言ってくれた。誰も死なず、全員が生きて出られるようにがんばろうって、そうも言ってくれた。
だから私も思ったんだ。『全員で生きて帰りたい』って。
心の底からそう思ったんだ。




それなのに。




「・・・どうして、ですか」


ピアノ椅子に座ったまま、ピアノにつっぷしているような体勢で息絶えている彼に、涙で顔をくしゃくしゃにしながら話しかけた。


「あんな・・・みんなが元気づくようなこと言っといて、なんで死んじゃうんですか・・・!これじゃ『みんな』で帰ることなんてできないじゃないですかぁ・・・!!」
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