トリコ
□君と僕のワルツ
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「…………僕と一曲踊りませんか?」
僕は、一人の可憐な人に手を差しのべる。
伸ばした手に、戸惑いながらも取った愛しい人を引き寄せ、その場に曲が流れ始め、まわりは優雅に踊り、それはとても輝く。
僕たちも、ゆっくりと踊る。
この時が、続けばいい。
永遠に僕たちだけの世界で、優雅に舞踊る。
手に手を取って、互いの温もりや視線を感じていたい。
でも、愛しの君の顔はぼやけてて、曖昧でよくわからななった。
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「………ココさん!!」
「ん…………、小松……くん?」
「もーっ、ココさんってば中々起きてくれなくて心配しましたよ!」
そうだ、僕は小松君とハントに来て、野宿をしていたんだ。
寝過ぎたせいか、頭痛が走る。
頭を押さえていると、小松君が温かいスープとパンを持ってきてくれた。
「大丈夫ですか、ココさん?
無理しないで下さいね」
「ごめんね、小松君」
「謝らないでくださいよ
さぁ、冷める前にどうぞ」
小松君に言われるまま僕は、スープを口に含む。
とても温かく喉ごしが良く、頭痛を和らげるように優しい味が広がる。
パンと食べても、そのまま食べても最高に美味しい。
すべて平らげると、頭痛は嘘のようになくなっていた。
「とても美味しかったよ、小松君
小松君のお陰で頭痛がなくなったよ、ありがとう」
「えへへ、ありがとうございます!」
照れくさそうに笑う彼を見ると癒される。
彼と僕は付き合ってる。
僕の絶望的片想いではなく、彼から告白してきてくれて、とても、嬉しかった。
「小松君、おはようのキスは?」
「なっ!無いですよ/////」
そう言うだろうと思った。
とても、恥ずかしがり屋な愛しい人。
なのに、僕は何であんな夢を見たんだろう?
「今日は目的地に着けますよね?」
「あぁ、今日は天候も気流も良さそうだ。
キッスに乗って2時間で着くよ」
「意外と長いですね…………」
落ち込みながらも食器を片付ける小松君の首筋にキスを落として大丈夫だよ、と言ってあげる。
顔を真っ赤に染める彼はとても可愛くて愛しい。
そのままキッス呼んで、僕たちは大空へと進んだ。
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