Devil May Cry

□番犬にはご注意を!
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ただの遊び心だったんだよ。
気紛れだったとも言える。


『主。
また、貴方と話せるときが来ようとは思わなかった…………』


「…………嘘、だろ?」



黒魔術。
太古の昔から使われていた呪いや魔法等で使われてきた。
有るものは術を使いて国を治め、支配した。
また有るものは、心を惑わし人外の生き物となった。

そして、何事にも触れてはならないものがある。
禁忌とも禁術とも呼ばれる。


仕事上、宗教関連で必ず黒魔術は出てくる。
そのため、ダンテには黒魔術関連の資料が必ずある。

ソファでピザを食べながらダンテはその資料を見ていた時、たまたま目に入ったものがあった。


黒魔術の中でも禁忌とされている、肉体や魂を創ること。

それを普通の人間がすれば、精神が蝕まれ、身体が朽ち果てる。
ほとんどの者は、死を迎えた。

だが、それは、あくまでもただの人間であればの話だ。


ダンテは、普通の人間ではない。

半魔半人には通用するのか?


そして、ダンテは思いついたら実行した。
そこあたりへんにあるもの全てを対象に術を使った結果がこれだ。



『…………マスター?』

「何で、人が…………いや、悪魔か

お前は…………誰だ?」

『我が名は、マスターがよく知っているだろう?』


そう、わかってはいる…………が信じたくない。

その身に纏う氷のように鋭く冷たい魔力、ざんばらな髪は後ろ髪だけが長く、1つに結っている。
首にある鋭い棘のある首輪のや両腕両足につけられた枷からは鎖が厘とした音を奏でている。

そして、腰に備えられた依代に使われた魔道具に見覚えがあった。


「ケルベロス…………なのか?」

『ご名答…………、マスター・ダンテ

我が名はケルベロス。
魔道具となっていた俺に肉体を下さった…………』


ケルベロスはそのまま片膝をつくと、ダンテの手をとって手の甲にキスを落とした。


『マスター…………』


熱に浮かされたような瞳を向けられ、思わず心臓がドキッとしてしまう。


「やめろよ…………、そんな目で見んな…………」



手を振り払い、ダンテはソファに座り、黒魔術の本を再び見る。





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