Devil May Cry

□強奪CREDO
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「バージル、皿取ってくれよー」

「自分でとれ、愚弟めが」

「何だよ、冷てぇな…………」


今日は珍しくダンテがキッチンに立っていた。
たまに、気が向いた時だけダンテはピザを頼まず、料理をしていた。
ダンテは皿に作ったスクランブルエッグとパンとジャム机に並べた。


「バージル、メシたぞー」

「食えたものなのか?」

「俺がいくら料理が苦手だからって、嫌そうな顔をするなよ!」

「愚弟が…………」


テーブルにつくと、バージルはスクランブルエッグに手をつけた。
何かジャリジャリとしたものがあった。


「………砂糖か?」

「ん、よくわかったな?
隠し味に砂糖入れたんだよ」


ダンテはトーストにバニラアイスとイチゴジャムをのせて食べる。
ダンテはストロベリーサンデーが好きで、それに似たものを好む。
バージルは、舌打ちをしながらも、砂糖が異常なまでに含まれ、溶けきっていないスクランブルエッグを食べる。


「隠し味にしては砂糖が溶けきっていない。
入れすぎだ。

とても、食えたものじゃない」

「だったら、食うなよ!」

「食べ物を無駄に出来るか、愚弟が」


バージルは、我慢しながらも食べ進める。
食べ物を無駄にしたくはないが、ダンテが一生懸命に作った料理を無駄にしたくない気持ちの方が強い。

惚れた弱み、とでも言うのだろうか?


食べ終わると、食器は洗い場に置いてそのままにする。
食べるときに必要なものだけを洗えば良いとダンテが考えたシステムだ。
しかし、身の回りを整理し清潔に保つバージル。
潔癖症のバージルにとっては、それはバージル自身が許せないことで、自分から皿を洗い始める。
家事にも手慣れているため、ものの数分で片付けが終わる。


「洗い物サンキュー、バージル」

「ダンテ、その服はどうした?」

「あぁ、これか

破けて着れない服を捨てようと思ってさ」


ダンテは服を丸めるとゴミ箱に投げ捨てる。
そのまま、ダンテは散歩に行ってくると言うと出掛けていった。
おそらく、闇市へ行って悪魔の情報を集めに行ったのだろう。

バージルは捨てられた服を手にすると、洗面所へ行き、それを洗い始める。
そして、部屋に飾ってあったノコギリ刃の魔双剣・アグニで服の水分をとばし、ルドラの風でさらに乾かす。
アグニとルドラは、話すことができる魔双剣だ。
しかし、ダンテが(煩いから)しゃべるなと言われているため話してはならない。
その服を何に使うのか、と聞きたいが聞けない身の上だ。
疑問ばかりつのる。
そのまま、バージルは自室へと服を持って扉に消えた。





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