Devil May Cry
□Infant Warrior
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「………………」
「………………」
……ー朝、起きたら背が縮んでしまいました。
「どうする?」
「何をだ?」
同じ事務所に居候する兄・バージルに自分達の背が縮んだことに対し、意見を聞きたくなった。
「俺たち、背が縮んだからどうしようかーって思って…………」
「どうもせん」
バージルはいつもより、広く感じるソファーに座ると本を読み出した。
悪魔についての本で、父であるスパーダの情報集めといったところだ。
「昨日、貴様がしくじったお陰で俺までもが退化してしまったんだ」
「だって、まさかこんなことになるなんて思わねぇだろう!!」
昨日、悪魔退治の依頼で廃墟に俺たちは出ていた。
はじめて戦う悪魔だったが、まぁ、倒せばどうにかなる。
そう思っていた。
宙に飛んだ悪魔をリベリオンで真っ二つにしてやったら、そいつの体液が俺や運悪く下にいたバージルにかかっちまったんだ。
『愚弟めが!
この悪魔の体液は人体に影響を及ぼすんだ!』
『あ?
…………何もねぇんだけど、オニイチャン?』
『今は無くとも明日の朝には影響があるだろうな』
バージルの言ったことが、今朝、本当になりました。
服はブカブカになってて着れないが、体液がついたものだけは、サイズが縮んでいたお陰で真っ裸かタオル一枚の生活にならずに済んだ。
ただ、これじゃあ、クローゼットの上に隠した大人な本とか、女にはモテねぇじゃねぇか?
「自業自得だ。
そんなものまだ隠し持っていたか。
貴様には俺がいるだろ。問題ない。
昨夜とて、シャワーを浴びた後にヤっただろ」
「心を読むな!見るな!
てか、それを言うんじゃねぇ、馬鹿兄貴!!」
俺たちは男同士でヤった。
お互いに欲求不満でヤった日から、俺たちは付き合い始めて、今にあたる。
考えてみればへんな関係だよな。
でも、時間が経つにつれバージルは俺の事が好きで、俺もバージルが好きになっていたんだ。
兄弟で何やってるの、と亡くなった母さんがもし知っていたら嘆くだろうに。
「体液がかかって24時間後に戻るハズだ。
支度をしろ、ダンテ」
「マジか!?良かった!!
ん?出掛けんのか?」
「デートだ、デート」
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