Devil May Cry
□何処にいる
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「そうだ、それでいいー…………」
赤が視界を支配した。
静寂がその場を支配する。
そこに、ダンテが息を切らして立っていた。
「ダンテ…………」
声を出したのは、レディだ。
しかし、ダンテはレディの声に返す言葉を出さない。
「バージルは、何処だ…………」
「ダンテ……、バージルは、そこにー…………」
「いや、違う!…………それは、バージルじゃない!」
レディの言うそこには、惨たらしいほどの刺傷で蒼のコートを赤に染めた死体がリベリオンによって串刺しになっていた。
滴る赤は、ダンテの足元にまで溜まり、靴を汚す。
ピチャピチャと、溜まったそれの上を歩いて、リベリオンを引き抜くと、ドサリと地面に崩れた。
それは冷たくなっていて、レディは思わず手で口を覆った。
「俺の知ってるバージルは、俺なんかに殺されるほど弱くない。
だから、それは、俺のバージルなんかじゃない…………」
リベリオンを背負ったダンテの顔や服にはたくさんの血がついていた。
その血は、その死体ー、ダンテの双子の兄・バージルのものだ。
「俺のバージルは、死なない」
「でもっ、バージルはダンテ……あなたが殺してー……」
「それは、悪魔がバージルになりかわっただけさ。
本物のバージルを、見つけねぇと…………」
バージルの姿をした死体に目もくれず、その場を後にする。
バージルは、きっと何処かにいる。
二度と会えない?
いや、俺はそれを信じない!
バージル、バージル。
お前がいないと、俺は………………っ!!
バージルの死体に近寄ったレディは、冷たくなった顔に触れ、開いていた目を閉じた。
その顔はまるで、憑き物が堕ちたようだった。
ーそのまま、俺を追い続けていろダンテ。
貴様が、死んで朽ち果てるまでな。
そうすれば、俺を見つけられるだろうー……
END
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