ファイブレイン

□蔓日々草 ーツルニチソウー 前編
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今日は僕達の記念日

何の記念日かと言うと、僕達が初めて友達になった日だ。
あれから行く年月が流れて、僕達は日本で言う大人になった。
勿論、職を手にした片手間にパズルを作っては解く。

子供の頃と変わらない。
僕がパズルを作り、カイトが解く。


傍から見れば、ただいい大人がパズルで遊んでいるだけだろう。
でも、それは僕にとってはすごく大切な時間。
大人になってもパズルは楽しい。
仕事で疲れていても、パズルを作るのは苦ではない。

カイトの為にパズルを考えて、良いパズルを作って褒めてもらいたい。
子供の頃から変わらない。
そう、僕のこの想い以外はー・・・


「今回のパズルは特別難しいな・・・

ルークのパズルは回を追うごとに難問になっていくけど、楽しいな!
なんてゆうか・・・・・・すげぇあったかい!いいパズルなんだよな!」

「カイトってば、大袈裟だよ?

パズルもカイトの成長に合わせたレベルになっていってるってことだよ。

・・・でも、そう言ってもらえるとすごく嬉しいな」


今回僕の作ったパズルはダイスを使ったものだ。
でもただのダイスではない、ルービックキューブのような要素もあればマスの目も普通のものと違う。

カイトがパズルに夢中になっている時のその楽しそうな顔を見ると僕は満たされる。
僕のパズルをいいパズルだと言ってくれたカイトと遊ぶ内に友情とはまた別の感情が生まれた。

でもそれはカイトに打ち明けることはないだろう。
だって、僕達は親友だ。
僕達はパズルを通して友情をもった。
かけがえのない絆をもった。

それを壊してしまうのが怖いー・・・





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