ファイブレイン
□REGRET MEMORY
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「カイト………」
彼が言った言葉は重く、俺にのしかかる。
まるで、暗い闇の船底にゆっくりと沈み、体中の体温を奪う。
それと、同時に、あの目に魅力されていた。
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「オルペウス・オーダ……
アイツらは俺を知っている………」
部屋の中でポツリと言い放った言葉はすぐに消えてしまう。
大門カイトはそんな部屋で照明も点けずに考えこんでいた。
あの、フリーセルと言う名の少年について考えていた。
何故、自分の前に現れたのか?
何故、仲間を傷付けるのか?
何故、彼の目はとても悲しさに満ちているのか。
「俺は、アイツの何なんだ?」
思い出せない。
思い出すことが出来ない。
くしゃりと顔を歪ませる。
そして枕に顔を埋めた。
その時だった。
「こんばんは、大門カイト」
「……っ、お前は………
……フリーセル!」
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