ファイブレイン

□GRADE MOON
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「ふぁ〜、眠っ…」


ルート学園まではバスと歩きで通うため、時間厳守にしなければ遅刻してしまう。
大門カイトは、欠伸からでた涙ぐむ目を隣にいる男性に向けた。


「ルーク、お前は眠くないのか?」


男性…否、ルークはカイトの目に溜まった涙をそっと指で拭い取った。


「僕も眠いけど、早くカイトに会いたくてね……」

「そんな理由でか?
ルークは昔っからそんなことしか言わないなー」


カイトは鈍感だ、とルークは思う。
昔から僕はカイトが好きだ。
友達としてではなく、普通、男性が女性に向ける好き。
つまりは、恋愛感情の好き。


「今回は、ジグソーパズルを作ってみたんだ♪」

「おおっ!見せてみろよ!」


ガサゴソとスクールバックから30cm×30cmのジグソーパズルを取り出す。

これはただのジグソーパズルではない。
全て星の形で出来たピースで、そこからおよそ万単位の図ができる。

それがこのパズルの難易度をあげているんだ。


「こいつは難問そうだな!

ちなみに、この図はなんだ?」

「これにはそれぞれ四季の風景ができるようになっているんだ。

ついでに言えば、4つの文字が隠されてる」


カイトは早速にパズルを解き始めた。


そして、ふと思う。



この幸せな学園生活が続けばいいのに。



僕とカイトはオルペウスの腕輪を拒絶した。

そんなもの無くても、僕らは最高のパズルを作り、解ける。



そう信じてたから、これまで友達で甘んじてこれたんだ−………。



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