ファイブレイン

□蔓日々草 ーツルニチソウー 前編
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「解けたぜ!
このパズルの目にあるのはマスの目じゃねぇ!
モールス信号だ!

だからこれを縦横斜めから言葉を読み解く・・・

BIGLEAFPERIWINKLE・・・・・・

つまり、答えは蔓日々草だ!」


「すごいよカイト!正解!!

花言葉は“生涯の友情” “幼馴染み”
今日は記念日だからね 」


「忘れもしないぜ。
俺とルークがともだちになった日だからな?

サンキューな?すごくいいパズルだったぜ」


カイトはとびっきりの笑顔を僕に向けてくれた。
僕も答えるように笑顔を返す。

パズルを解き終わったら、もう外は暗く夜と言っていいくらいだ。
多少の小腹も空いた。


「ちょっと前にワインやウイスキーを買ったんだ。
簡単なおつまみくらいなら作れるけど、一杯どうだい?」

「そうだな!ごちそうになるとするか!

コークハイって作れるか?」

「以前ビショップから習って作れるけど、丁度コーラが切れていてね……
近くのコンビニで買ってくるよ」

「あ!俺が買いに行くからルークはつまみ作ってていいぜ?
俺がオーダーしたんだ、責任もって買いに行くからよ!」

そう言うなりカイトは上着を持って買い物に行ってしまった。
相変わらずの行動力にカイトらしさを感じてしまうのは可笑しいだろうか?

僕はエプロンを着けてキッチンへ立つ。
じゃがいもをレンジで温めて皮を剥くと、火の通ったそれを潰し塩コショウなどで味を整える。
そして小麦粉を加えたものをちぎり丸める。
そこに一口大のカマンベールチーズを用意しじゃがいものそれで包む。
形を再度整えたらオリーブオイルをしいて熱したフライパンで表面を焼く。
香ばしい香りが漂う。
他にもスモークハムやトマトチーズなどを作った。

作っている時、僕は自分が作ったパズルの答え
その花言葉の意味を再度言い聞かせた。

僕とカイトは幼馴染みであり親友だ。
生涯の友情を僕はパズルで示した。

だって僕がカイトに抱く感情は持ってはならない。
ましてや、男と男。
絶対に実るはずがない。

友情を通り越して、僕がカイトに向けるそれは恋情へと変わってしまった。


「僕はカイトとの関係を壊したくない・・・

だから、僕はカイトとパズルをやっている時間を・・・関係を大切にしたい

傍にいられるとゆうのであれば・・・ー」


ー・・・カイトに愛する人が出来たとしても



ポツリと呟くそれは、誰もいない部屋の静寂に虚しく消えた。


もうすぐカイトは買い物から帰ってくるだろう。
それまでに、気持ちを整えなくては……

カイトは勘が鋭い。
バレないように、隠し通さなきゃ。

僕は、僕達は今もずっとこれからも親友なのだからー・・・・・・




END
17/12/3
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