ノラガミ 〜 桜の咲く頃に 〜
□決心
2ページ/4ページ
「あたし、今からちょっと出かけて来ます。」
「どっか行くのか?」
「あ…ちょっと…」
あたしは、行き先を言うのを少しためらってしまった。
「行ってらっしゃあぃ☆気をつけてね♩」
小福さんはそんなあたしに気が付いていたのだろうか?
何も聞かずに送り出してくれた。
「行ってきます!」
ーあの坂を下って右に曲がった所に女子高がある。
そう、夕べ小福さんに場所を教えてもらった。
あたしの過去が分かるかもしれない、清華女子高校だ。
途中までは迷いなんてなかったけど、さすがに近くなると変な緊張で思わず足がすくんでしまう。
でも…行こう。
あたしが誰なのか、1番知りたいのは…あたしなんだ。
そして再び女子校を目指して歩き出した。