ノラガミ 〜 桜の咲く頃に 〜
□記憶
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「喜べ‼今から仕事だ☆」
携帯を片手に夜トは嬉しそうにあたし達に言った。
「やっとぉ⁈2週間ぶりじゃなぁい。あ、白ちゃんは初よねっ。」
「あ、はい。でも、あたし役立たないし…(名前呼ばれても首に巻く位だし)どっちにしても…」
「どっちにしても、今日は白音の出番はねぇ。依頼主が男だけで来てくれだとよ。」
「「えっ…」」
「やぁん☆それって…♡」
「夜ト…これ、どーいう事よ‼」
「どうって?」
「こんなの聞いてないわよっっ‼」
「いやー、あんちゃん達ありがとうよ。すげぇ、助かった!」
「いえいえ、これ位。」
「バイトの奴ら、急に2人も辞めちまいやがって、頭抱えてたんだわ!ほんと、今日の引越し来てくれてありがとうよ!」
…夜ト達の本日の依頼は、引越しバイトであった。
あたしは確かに出来ないので、近くで待機してろと終わるのを待っていた。
「特にあんちゃん、ガタイもでけぇし、力もあるし!どうだ、ウチ来るか⁉」
「…コロスわよじじぃ(小声)。」
「ん?」
ガスっ‼
うっ…
「いえ、何でもないっす☆また宜しくお願いしまぁす☆」
「ちょっとぉ、何すんのよ‼人のわき腹殴らないでくれる⁈」
「依頼主は丁重に扱え(怒)‼」
「何よぉ‼自分だってブツクサ言うクセに!」
「おーい、あんちゃんら、それ終わったらメシにすんべ!おごってやるからよぉ‼」
「「ありがとうございまーす☆」」
「ふー…腹いっぱいだ☆満足、満足♩」
「…白ちゃん、何してんのかなー?」
「あー??そこらへんにいるだろ。」
「…本調子じゃないみたいね。」
「あ?」
「いつもの夜トじゃないって言ってんの。あの子が来てから、調子悪そうじゃない。」
「……。」
「何、もう刺されでもしたわけ?」
「いや…刺されてはいねぇ。ただ、アイツも慣れない神器で精神が安定してないだけだろ。」
「どーだかね。夜ト、分かってると思うけど、今のアンタじゃあたしは扱えないわよ。あたしを扱うのがどれだけ大変か分かってるでしょ。」
「けっ。神器に言われちゃお終いだな。」
「んもぅ、心配してあげてるんじゃない!」
「そんな世話いらねーわ‼…白音は、オレを刺したりなんかしねーよ。」
ただ…アイツは何かある。
アイツは誰にも触られてなんかなかった。野良でもねぇ。
…でも、なんだ?
すげぇ嫌な予感がする。
「随分、白ちゃんの事買ってんのねー?」
「アイツはオレの神器だ。オレが見つけたんだ。」
「ちょっとぉ、あたしは⁈」
「お前は…いいや。」
「ちょっとぉ‼どういう意味よぉ‼」