ノラガミ 〜 桜の咲く頃に 〜

□私は神です
2ページ/2ページ

「剛音さん。」

「やん!剛ちゃんて呼んで☆白ちゃん☆」

「…あ…ははは。じゃあ、剛ちゃん。剛ちゃんは何故、夜トの神器に?」

「あたしぃ?あたしは夜トがあたしに…ひ、と、め、ぼ、れ☆」

「あ、そうなんですね…」

思わず、目をそらしてしまった。

「剛音ぇ‼きめぇ事言うな‼」

夜トは随分先を歩いていたのに、以外と耳がよろしい事で。

「白ちゃんは…見た所、17歳位かしら?色が白くて、ほんと初めて見た時、雪の精かと思っちゃったわ。綺麗な顔立ちしてるから、生前はモテたんじゃない?」

「色…白いですか?顏…そんな顏ですか?あたし、17位なんだ。」

「ちょっと、チョットぉ‼あなた、自分の顏まで忘れちゃったわけぇ⁈」

「はは…あたしホント何も覚えてなくて。気がついたら、夜トの神器になってたって感じで。」

「でも、白ちゃん、あなた制服着てるじゃない?私たち神器は、神器成り立てなら初めに白い着物を着ているものよ?あなた、誰かの神器だったんじゃないの?」

「…よく、分かりません。」

あたしが神器だった?
誰の?

「でも、名前も無かった所を見ると、ちゃんとした神様の所にいたみたいね。」

「そうなんですか?」

「そうよぉ。ちゃんと名前を消して放ってくれてるじゃない。じゃなかったら、白ちゃん野良だったんだから。ま、うちの主は野良でも何でも使うゲテモノだけど☆」

「剛‼聞こえてるっつてんだろ‼」

「あー、ハイハイ。言葉がすぎましたぁ」

「………」

2人は仲悪いのか?
でも…剛ちゃんに色々言われるまで分からなかったけど…あたし、ほんとに何も覚えてないんだな。

あたしはこの2人についていく位しか、今は何もできないんだ。


不安な気持ちで空を見たら、冬の冷たい空気と昼下がりの綺麗な青がやけに目に焼き付いた。
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ