ノラガミ 〜 桜の咲く頃に 〜
□決心
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「おはようございます!」
「あっ、白りんおはよぉ☆良く眠れたぁ?」
「はい!パジャマまで借りちゃってすみません。」
「いいよぉ☆」
「顏洗って着替えてこいよ。もうすぐ朝メシだ。」
後ろから大黒さんの声がした。
「おはようございます!すぐ用意してきます!」
あたしは慌てて2階に上がった。
(昨日は久しぶりにゆっくり眠れたな…なんか少し気持ちが落ち着いた。)
そんな事を考えながら、あたしはシャツを脱いだ。
ガラっ‼
いきなり窓が開いた。
「⁈」
「白音ぇ‼起きてるか⁈」
き…
「きゃああああああああぁぁ‼」
あたしは側にあった目覚まし時計を夜トの顔面目掛けて、力一杯投げ付けた。
「ごふぉ‼」
ガシャーン‼
夜トは見事に2階から下に落ちていった。
「ほんっとあり得ない‼神様だからって何でもやって言い訳ないと思いますケド‼痴漢ですよ‼チ、カ、ン‼ほんっとあり得ない‼」
「す、すみません…」
夜トは土下座をして謝っていた。
「そりゃ白ちゃん怒るわぁ…。窓から入るのもどうかと思うけど、ノックもせずにいきなり開けて、白ちゃんの下着姿、バッチリ拝んだもんね。」
剛ちゃんの言葉を聞いて、更に怒りがこみ上げてきた。
「ほんっとあり得ない‼サイテー‼」
「すみません…。」
「怒るのはそれ位にして、とりあえず朝ごはん食べよっ☆」
あたしの怒りは全然収まんなかったけど…とりあえず座る事にした。
「随分朝早くから来やがって。いったい何の用だ?」
大黒さんはものすごーく迷惑そうな顏をして、夜ト達を睨んだ。
「い…いや、これは…。」
夜トがモゴモゴしていると、横から剛ちゃんが口を挟んだ。
「大黒様ぁ☆あたしも止めたんですけど、夜トがどぉ〜しても白ちゃんのトコ行くって聞かなくて…」
「たっ…剛音ぇ!誰もんな事言ってねぇだろうが‼」
「あら、ホントの事じゃない?白音になんかあったかもとか、気が気でないカンジでサッサと向かったクセに。」
「それはだなぁ…!」
「朝からうるせぇ‼」
大黒さんはイライラしながら2人を追い出した。
…まぁ、心配してくれたのは嬉しいけど。
でも!あり得ないし‼
あたしは夜トが縋り付くように見ていた事に気付いていたが、あえて見ないで朝ごはんを食べた。